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食品ロジ研
食品ロジスティクス研究会では、メンバー2社の事例発表により、10月会合(第6回)を実施しました。 今回は、「持続可能な物流体制の構築」をコンセプトに、中⾧距離輸送におけるトラック輸送方の見直し(ラウンド運行やスイッチ運行)の事例と、 運送委託会社からの「得意先配送の撤退」を契機とした受注ロットの見直しの事例、の2事例となります。 前者はトラックの待機時間の削減や付帯作業の軽減など目的とした輸送モードの変革であり、 後者は運送委託会社から指摘された「小ロット多品種による業務負担が大きく、納品先も多い」、 「翌日配送に対応するための労働力確保と作業負担が厳しい」、「納品先での付帯作業が緩和されず、配送コストが吸収できない」、 という問題を解消するべく、営業と得意先も巻き込む取組みです。 2社とも共通していることは、トラックドライバーの負担の軽減、削減に向けて、小手先の対応ではなく、 抜本的な「業務の仕組み」を変革していく内容で、発表者から参加メンバーへの質問と参加メンバーから 発表者への質問など多数の質疑応答が交わされ、今回も貴重な会合となりました。 1.実施概要 1)日 時 2021年10月7日(木)15:00~17:00 2)開催方式 Zoomによるオンライン開催 ※新型コロナウイルス感染状況を鑑み、オンラインのみでの実施と致しました。 3)会合概要 メンバー2社による発表およびディスカッション 2.実施内容 1) メンバー発表①「持続可能な物流体制構築へ向けた新たな輸送モードの検討」 ■発表概要 (1) 持続可能な物流体制構築へ新たな輸送モードの検討 ・2024年4月からドライバーに時間外労働の上限規制が適用されることを見据え、「持続可能な物流体制の構築」を コンセプトに、中⾧距離輸送においても、トラックによる輸送方法の見直し(ラウンド運行やスイッチ運行)を進めるとともに、 トラック以外の新たな輸送モードについての検討を推進。 ・ホワイト物流推進運動の自主行動宣言に基づき、モーダルシフトの推進のみならず、トラックの待機時間の削減や 付帯作業の軽減などの取り組みを通じてトラック輸送の生産性向上・効率化に貢献し、「持続可能な物流体制の構築」を目指す。 (2) オートフロアコンテナを活用した鉄道輸送への切換え ・オートフロアは、荷台の床を電動でスライドさせるための装置で、荷物を荷室の入口に積み、 床ごと奥にスライドさせることで荷室の奥まで荷物を移動が可能。このため、積み降ろし時に荷室内で作業を行うことなく 荷室の奥まで積み込みを行うことができ、作業時間を短縮し業務の効率化を行うとともに、作業者の業務負担の軽減につながる。 ■事後アンケートでのコメント(抜粋) ・モーダル輸送へのシフトを進められる一方で、天候に左右され易いことを勘案してトラック輸送へのシフトバック基準を ルール化されていることは大変参考になりました。 ・オートフロアコンテナの活用による作業負荷軽減のみならず落下防止や作業員の腰痛防止などへの配慮は、 ホワイト物流推進をはかる弊社でも採用を検討すべきだと考えさせられました。 ・オートフロアコンテナの活用については、非常に興味深い内容であった。新しいことに挑戦する姿勢も参考になった。 ・オートフロアコンテナについて関心を持ちました。弊社でも20kg紙袋があり、パレタイズ、保管効率、荷役に課題を感じていますが、 製造ライン等の改修に踏み切ることが出来ていません。 3)メンバー発表②「受注ロット改善の取組み-配送効率化のために」 ■発表概要 (1) 受注ロット改善推進の背景 ・該当エリアの主要共配の委託先より、得意先配送撤退の申し出を授受。※同エリアにおける配送件数の約6割を担っていた (2)具体的な取組み(途上) ◆方向性 ・原則、受注ロット例外店を撤廃して順守率を改善させる ・将来的には受注ロットの引き上げを目指す ◆施策 ・営業部門長と物流環境や取組む方向性を共有するための会議を実施 ・得意先別、日別の発注状況を可視化して担当営業へ発信(実態の周知) ・計画ロット未満発注の得意先に対して都度の注意喚起を実施 (3)取組みを進めるうえでの課題 ・今回該当エリアの事象が全国的な課題となり得ることの危機感の共有 ・受注データのロットチェックのシステム対応 など ◆得意先1(家庭用) ・業態専用センターのロット例外対応の継続(少量多頻度) ◆得意先2(業務用) ・コロナ禍で売上縮小による強い抵抗感 ・原料ユーザーのジャストインタイム指向による例外対応の継続 ■事後アンケートでのコメント(抜粋) ・業態別の受注ロットの順守率というKPI設定は弊社では設定しておらず、新たな知見でした。 ・計画ロット未満受注率の取り組みや数値について非常に参考になった。当社ではなかなか進まない取り組みであり、 受注ロットを遵守してもらうことの難しさを改めて実感しました。 ・弊社も小口配送解消に営業と取り組み始めたところです。弊社も業務用比率が高く、業態別の進捗状況は参考になりました。 ・大ロット化への取り組みは重要なものの弊社ではまだ取り組めていません。営業が受注の実態を知らない状況は弊社も同様であり、 最低ロット遵守率の可視化が必要と感じました。 ※2021年度食品ロジスティクス研究会の概要・詳細はこちらをご参照ください。
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