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会長挨拶

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遠藤信博

公益社団法人
日本ロジスティクスシステム協会
会 長 大橋徹二
(コマツ 取締役会長)

ご挨拶

経済のグローバル化の進展に伴い、生産地や消費地が全世界に広がり、多様化する消費者ニーズに対応すべく、円滑な物資流動を可能とするサプライチェーンが構築されています。

しかし、今日、特にわが国においては、生産年齢人口の減少に伴う深刻な労働力不足などサプライチェーンに影響を及ぼす様々な問題が発生しており、その対策として、さらなる生産性の向上が求められています。さらに新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ロジスティクスや物流が社会インフラとして重要であることが認識されるとともに、社会や経営環境が劇的に変化したため、デジタル化対応や構造改革が急務となっています。また、国際目標であるSDGsや脱炭素社会の実現、激甚化・頻発化する天災や風水害への対応など、地球レベルでの持続可能性を高める活動を推進することが強く求められています。

こうした認識のもと、世界中で構築されたサプライチェーンを効率的に機能させるためには、企業活動の礎であるロジスティクスを、経営層が中心となって戦略的に位置づけ、変化に対して俊敏かつ柔軟に対応することが今まで以上に重要になると考えます。ロジスティクスが果たす役割は大きく、より一層高度化させることが極めて重要になっております。

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(略称:JILS)は、1992年6月に、ロジスティクスの高度化による生産性の向上と環境問題などの外部不経済の克服等による、産業の発展、国民生活の向上、国際社会への貢献を目的に、当時の通商産業省(現:経済産業省)と運輸省(現:国土交通省)の共管により、社団法人として設立されました。以来、ロジスティクスに関する調査研究、普及開発、提言や政策立案への支援、経営指導、人材育成等の活動を推進しております。

社会や経営環境が大きく変化する中で、持続可能な社会の実現に向けて、ロジスティクス分野における課題を解決しなければなりません。そのため、2020年1月に発表した『ロジスティクスコンセプト2030』では、私たちが目指すべきロジスティクスの姿を描き、その実現に向けて7つの提言を行いました。さらに、個社の取り組みだけでは解決が難しい課題が増えているため、サプライチェーンで繋がる企業同士がより一層連携し、共創していくことが重要であると考えます。

当協会は、これからも産業界や社会からの要請に応えるべく、産学官と連携を図りながら、コンセプトに沿って活動を推進し、持続可能な社会の実現や直面する諸課題の解決に向け邁進してまいります。今後とも、関係者の方々のご支援、ご協力と協会活動への積極的なご参画をいただけますようお願い申しあげます。