物流コストの管理および削減は、企業の物流担当者にとって永続的な課題と言えますが、一般に公表されている物流コストのデータの多くは、有価証券報告書等に基づく断片的なデータに留まっており、ベンチマーク等に利用するには不十分であるといった問題があります。そのため、JILSでは毎年荷主企業を対象に「物流コスト調査」を行い、各社の詳細な物流コストを把握しています。
調査結果は報告書として公表され、対売上高物流コスト比率の推移、荷主企業の物流コストの業種別動向、日本全体のマクロ物流コストなどを公表しています。これにより、わが国の物流コストに関する総合的なデータを継続的に集積しています。
なお、物流コストとは、物流に起因して(関連して)発生するコストです。
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・各年度の詳細版報告書は、書店等で販売しています。
詳細はこちらのページをご参照ください。
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物流コストの算定方法
物流は、調達部門、生産部門、販売部門などさまざまな部門で発生しています。このような物流の特徴から、会社全体としての管理が十分でなく、部分最適による非効率が生じているケースが少なくないと考えられます。そこで、会社全体の物流コストを網羅的に把握することで、部門間の連携不足から来る非効率を明らかにし、物流の全体最適化による効率化を促すことができるといえます。
たとえば、梱包サイズの最適化を通じて輸送コストを削減するケースを考えます。一般的に梱包コストは生産部門、輸送コストは物流部門が管理するケースが多いため、生産部門は梱包コストを最小化するインセンティブが働きます。しかし、梱包コストは輸送コストよりもずっと小さいのが一般的であり、梱包コストが多少、増加したとしても、梱包の最適化を通じて輸送費(および保管費)を最小化することを目指すべきであるといえます。
このような効率化のインセンティブを働かせるためには、物流コストを部門ごとではなく、社内横断的に把握し、集計することが必要であると考えられます。
このように、物流コスは幅広く把握することが必要であり、「配送費」「保管料」「梱包料」といった「支払物流費」はもちろんのこと、自家輸送費、物流に関する社内の人件費なども把握することが必要といえます。
本調査は、通商産業省(現・経済産業省)が定めた「物流コスト算定活用マニュアル」に基づき、「輸送」「保管」「包装」「荷役」「物流管理」といった機能別の分類を「タテ軸」にとり、「支払物流費「自家物流費」といった支払形態別の分類を「ヨコ軸」にとったマトリクス形式の調査票(集計フォーマット)を採用し、会社全体の物流コストを幅広く記入していただいています。
物流コスト調査票(集計フォーマット) クリックで拡大

物流コスト調査報告書の販売
各年度の物流コスト調査結果をまとめた報告書を販売しております。
報告書には、対売上高物流コスト比率の推移、荷主企業の物流コストの業種別動向、日本全体のマクロ物流コストなどのデータを掲載しており、このデータは、荷主企業における物流コストの基準値として利用されているほか、行政機関における施策検討の基礎資料、学術分野における基礎資料等として幅広く利用されています。
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政府刊行物センター、紀伊国屋書店、丸善・ジュンク堂、三省堂(いずれも主要店舗のみ)で販売しております。
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