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「ホワイト物流」推進運動は、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的とした運動です。2019年4月に専用ポータルサイトが立ち上がり、国土交通省・経済産業省・農林水産省が企業に参加の呼び掛けを開始しました。
「ホワイト物流」推進運動では、物流に係わるすべての関係者が問題意識を持ち、連携して相互に改善を提案し、協力して物流の効率化・生産性向上の実現を目指しています。そのために、荷主企業・納品先企業・物流企業等は「持続可能な物流の実現に向けた自主行動宣言」を提出することで運動に参加をすることができます。
2022年10月17日に公表された自主行動宣言を提出した賛同企業数(9月末時点)は、1,472社となりました。2022年3月末時点での賛同企業数は1,363社であったため、2022年度上半期には86社が新たに賛同企業になりました。
これまでに多くの企業が運動への賛同を表明している一方で、総合物流施策大綱(2021-25年度)においては、2025年度末までに「ホワイト物流」推進運動への参加企業数の目標は3,000社(者)が掲げられています。
運動の進展自体はまだ道半ばであり、さらに多くの企業が自主行動宣言を提出して、運動に参加することが期待されています。
「ホワイト物流」推進運動ポータルサイトでは、すべての賛同企業名が、業態別・地域別に掲載されています。さらに、賛同企業リストから、各社が提出した自主行動宣言を閲覧することができます。 自主行動宣言には、宣言を表明した代表者(多くの場合、代表取締役や部門責任者)の氏名と以下の内容が記載されています。
「自主行動宣言」の必須項目 ・取組方針 ・法令遵守への配慮 ・契約内容の明確化・遵守
「ホワイト物流」推進運動の推奨項目 A.運送内容の見直し B.運送契約の方法 C.運送契約の相手方の選定 D.安全の確保 E.その他 F.独自の取組
推奨項目は、A~Fのそれぞれが最大17の分類に分かれており、続いて分類に応じた各社の取組項目と取組内容が記載されています。 「ホワイト物流」推進運動の推奨項目の詳細
自主行動宣言には「ホワイト物流」の実現に向けて、各社が重点的に取り組んでいる、または取り組もうとしている内容が記載をされています。取り組みは物流の改善提案、運送契約や商慣行の見直し、働く人に配慮した環境整備など多岐に渡り、多くの企業において、物流に係わる関係者と協議をしていくことが掲げられています。
自主行動宣言を閲覧することで、物流に係わる企業の動向を知ることができます。また、直接のステークホルダーが賛同企業であれば、パートナーとして重点的に取り組むべき内容を改めて確認することができます。
公表されている自主行動宣言を多くの物流関係者が把握し、各社の取り組みに反映していくことが「ホワイト物流」の実現に向けて重要です。
自動車運転業務への時間外労働の上限規制適用による、物流の「2024年問題」の期限も迫るなか、これからの物流業務のあり方が模索されています。「ホワイト物流」推進運動は、物流に係わるすべての関係者が連携、協力して物流の効率化・生産性向上の実現を目指すことができる運動です。 「ホワイト物流」推進運動に賛同を表明していない企業においては、「ホワイト物流」推進運動ポータルサイトから詳細を把握し、新たな賛同企業となって「ホワイト物流」を推進することをおすすめします。
「ホワイト物流」推進運動ポータルサイト
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文責:JILS 坂口 陽
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