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JILSニュース

お知らせ詳細

SCM・需給機能の強化に向けて-食品ロジスティクス研究会 8月臨時会合報告

食品ロジ研

食品ロジスティクス研究会では、8月臨時会合(第4回)を実施しました。 
通常8月は休会ですが、昨年に引き続いて変化の激しいサプライチェーンの状況を捉えるために臨時会合を開催しました。 

臨時会合では、今年初めて行った「SCM概要調査」の結果をもとに、参加メンバーの問題、取組み、課題を中心に共有するべく、
トライアルの位置づけで実施しました。

 1.実 施 概 要

1)日 時 2021年8月19日(木)15:00~17:00

2)開催方式 Zoomによるオンライン開催
   ※新型コロナウイルス感染状況を鑑み、オンラインのみでの実施と致しました。

3)会合概要 メンバー3社による発表とディスカッション

※「SCM概要調査」で最も問題・課題が集中していた「需給」にフォーカス

https://www1.logistics.or.jp/news/detail.html?itemid=505&dispmid=703

2.実 施 内 容

■発表①「A社が進めてきた需給コントロール体制の再構築」

■発表のポイント

・需給コントロール体制の再構築に至った経緯

※数年前に複数商品が休売となる需給事故が発生

・需給事故を踏まえて目指した姿

・「ワンナンバー」による需給管理の仕組みと体制を構築

■事後アンケートでのコメント

・ワンナンバーの考え方と、会議体、具体的な進め方が参考になりました。また、営業部門のSCM
   リテラシー研修は、ぜひ弊社でも取り入れたいと思いました。

・弊社の課題意識と同じ内容が多く、対策として実施された内容が非常に参考になりました。

・発表内容の全てが参考になった。やはり同業他社の取組み事例においては、部門課題に基く環境認識が共通する部分が多く、
   色々な打ち手は同じ部分と違う部分があり、特に違う打ち手は当社における検討にも繋がります。

 

■発表②「需給プロセス改善の取組み(安定供給/ロス削減/コスト最適化)」

■発表のポイント

・需給業務フロー概略と関連業務の問題認識

社長直轄の「商品企画モデル構築」と「需給領域改革」のプロジェクト発足と推進

・現状分析のサマリー(商品ロス発生要因)と解決策の方向性

※戦略から終売に至るすべてのプロセスにおいて打ち手を実行 など

■事後アンケートでのコメント

・生産の意見が強く出る社風なのかと思い、それを川下、川上に分けてミックスして対応する苦

労がわかります。商品ロスの5つの改善及び包材の事例について分かり易い内容でした。

・発表内容全てが参考になった。はやり、商品特性の違う部分もあり且つサプライチェーンに絡

む組織体制&役割の部分は公開されない事が多いため、非常に興味深かったです。

・通常販売と処分販売の価格帯分析は、着眼点としてぜひ参考にさせて頂きたいと感じました。

 

■発表③「在庫適正化とエリア在庫偏在解消の取組み」

■発表のポイント

・在庫管理における問題と課題
   課題その1:在庫の適正化による廃棄ロス・コスト~複数存在する数字~
   課題その2:在庫偏在の解消による鮮度UP~業務の非効率さ~
   課題その3:オペレーション作業標準化・省人化~業務の属人化~

・サプライチェーン体制と取り組み紹介
   在庫適正化に向けたワンナンバーオペレーションの推進 など
   ※合理的な計画の一本化による過剰在庫の防止

■事後アンケートでのコメント

・販促予測精度の高いセールスを評価するなど、自発的な改善の風土を醸成し、知識の共有を進めていることがよく理解できました。

・計画精度向上を前提に在庫を気にせず営業が販売活動に専念できることを目標としたこと、
   良い事例の横展開を進める表彰等の取組は弊社には無く、参考になりました。

・複数の数字、非効率な業務、属人化している専門作業等をいかにワンナンバーオペレーションに移行するか、
  その取り組み方がわかりました。また営業員への教育などを見習いたいです。

 

■会合に参加してのご意見:会合を通じて得た「気付き」、「有益」だと感じたこと

・(在庫を持たないこともあって弊社にはSCM部門が無いものの、)物流部門として、需給に関する
  「アラートの発信」や「緊急時のイニシアチブの発揮」といった責任がある点は同じであると再認識しました。
   その中で「SCMリテラシーの啓蒙」も物流部が果たすべき役割のひとつであり、取り組んでいくべきだと感じました。

・各社の取組みは、物流の課題に留まらず、会社全体の課題へと昇華できていると感じました。

・参加企業様の取組みは課題感が共有できる場合が多く、非常に参考になりました。

・会社全体を巻き込んで、如何にSCMを進めていくのか。全体をどう統合していくのか。それが利益になり、
   お客様ファーストになり、環境問題に繋がり、社会に貢献するのかが見えてきた気がします。

・同業他社の事例、特に今回は物流課題に対する組織体制や役割(機能)の説明があって貴重な場となりました。
   組織体制や役割(機能)は企業毎の特性が出るので、引き続き他社事例は意見交換したいです。

・各社で相違工夫は様々ですが、複数の部署が一緒になって取り組まれている点は共通しており、弊社も努力せねばと
   モチベーションがあがるので大変有益でした。

・営業、生産、需給・物流の各部署が同じ数字で需給を議論する事が重要なのだと再認識しました。

・飲料、食品業界のSCM関連の悩みは同じであることを再認識しました。各社ともそのなかで
   自社にあった取り組みをされているということで参考になりました。

・部門視点に止まらずに全社最適での「ワンナンバー思想」の推進力の重要性を認識した。

・需給管理は別組織で行っており、頂いた資料は直ぐに共有しました。在庫の過不足は輸配送や保管に大きく影響するため
   組織横断の共通課題として取り組んでいるところです。

・発表各社様も弊社と同様の問題点があることが判り、励みになりました。

・各社ともに販売予定の精度向上に労力を使われており、ポイントは「情報の一元化」「ワンナンバー」「ナレッジマネジメント」
  であることを改めて確認できました。

・どんなに優良な大手メーカーでも似たような悩みを抱えていることについて良く理解出来ましたし、ある意味で安心致しました。

・ムダ・ムリ・ムラが引き起こす滞留三悪など、弊社のことを言われているような気になり、
   改善すべき点についてより明確に気付かせて頂きました。

・各社の状況、事例を共有させていただき、“ワンナンバー”、“複数の数字が混在”という点に関しては弊社も同様であり、
   今後の取り組みの参考にしていきたいと感じました。

 

《事務局の所感:担当/文責 JILS総合研究所 遠藤直也》

コロナ禍も早いもので1年半が経過しました。そのなか、研究会を従来のような“集合型のコミュニケーション
(対面での阿吽、休憩時間や会合終了後の懇親会等の「余白」)」”を望むも難しい状況です。

昨年(コロナ禍1年目)の課題である「メンバー企業の取組みの共有」を目指し、SCM概要アンケートを実施、
その結果に基づく会合プログラムを策定のうえ、今回の臨時会をトライアルとして行いました。

リモート下においても、メンバー間のコミュニケーションを高めるためには「事後アンケート」も含めた「企画と運営」が大切であり、
トライアルの結果はアンケート回答の「数と内容の充実」として表れていると感じています。

コーディネータの池田様、幹事企業の皆様とメンバー企業の皆様のご支援ご協力に対して、改めて御礼申し上げます。

※2021年度食品ロジスティクス研究会の概要・詳細はこちらをご参照ください。

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