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紅海紛争による国際海上輸送と2024年入札への影響-速報版:国際物流強靭化推進研究会

国際物流強靭化

2023年度の国際物流強靭化推進研究会は第7回会合を12月22日(金)に実施しました。
今回は、会合前に行った有志による「2024年入札に向けた深掘り共有」の速報版をご報告します。

武装組織フーシ派による商船攻撃により、スエズ運河と紅海の航路を避け、喜望峰経由を選択することにより、リードタイム延伸と運賃上昇が懸念されています。
12/27時点では各報道発表の通り、米国主導の多国籍部隊による商船保護によって、一部の海運会社で紅海航路等の再開準備が始まっているとされています。

国際物流強靭化推進研究会の12月会合(12/22)では、有志メンバー(会合開始前)で2024年の入札状況を深掘り共有することになっていましたが、紅海の問題が起きたタイミングだったため、この件も含めた各社の対応状況や今後の考え方等を共有、意見交換を行いました。

入札の説明会直前の企業は紅海の件を考慮する前の認識のまま臨む、既に入札をスタートさせている企業は紅海の件は考慮していない状態だったため、紅海の件を受けて2次以降運賃が上がってくると予想している、2024年の入札もあるが、2023年3月までの年度末に向けた短期的な物流をどう回していくかが社内では優先度の高い課題になっている、等のコメントがありました。

また、一部の船会社からは「PSSを入れなければならない」「直近でスポット運賃が2~3倍になっている」という話は受けている等、各種サーチャージも含めて運賃が上昇傾向にある中、米連邦海事委員会(FMC)は、運賃の値上げや追加のサーチャージの適用などについて監視を続けるとの声明を出していますが、引き続き、状況を注視していく必要があります。

12月会合の発表の一つに「トラッキングシステム導入経過と」、がありました。「いまこそ活用の時」というのが印象的でした。ただし、発表企業のコメントにあった通りですが、システム導入は手段であり目的でありません。目指すは生産、販売と物流の連動性を高め、その精度、速度を上げてサプライチェーンの最適化を図ることです。製販物の関係者が情報を共有し、可視化(現状把握)、定量化して、仮説を立てて改善・改革の計画、実行等のPDCAを愚直に取り組むことが肝要です。

パナマ運河の渇水問題も含め、地政学等によって国際海上輸送の混乱に拍車がかかり、国際海上輸送全般でのリードタイム延伸や運賃上昇等、国際物流の混乱リスクが高まっています。
国際物流強靭化推進研究会では、必要に応じて臨時会合を開催し、適宜情報を共有していきます。

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担当/文責:JILS総合研究所 遠藤直也

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