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持続可能な物流の実現に向けた「最終とりまとめ(案)」を公表-第10回 持続可能な物流実現検討会/経済産業省

行政・他団体

経済産業省は、2022年9月より、「持続可能な物流の実現に向けた検討会」を国土交通省、農林水産省と共に立ちあげ、2023年2月に「中間とりまとめ」を公表、その後も検討を重ね、5月19日の第10回会合で最終取りまとめ(案)を提示しました。

我が国における物流政策の基本方針としては「総合物流施策大綱(2021 年度~2025 年25 度)」(2021 年6月閣議決定)が存在するほか、各種のガイドラインが作成されているところ、 2024 年を前に諸課題が先鋭化・鮮明化している中、これまで規定してきたことの実効性を確保するため取り組むべき政策について提示するもの。

その上で、物流の担い手不足やカーボンニュートラルへの対応などを踏まえると、物流の持続可能性の実現に向けて、2024 年で対策が終わりということではなく「始まり」であり、これから提示した政策について、継続的に取り組む必要がある。加えて、政策の検討に当たっては、中間取りまとめにおいて、「物流事業者が提供価値に応じた適正対価を収受するとともに、物流事業者、荷主企業・消費者、経済社会の「三方良し」を目指す」としており、最終報告書においても同様の視座に立っているとしています。

なお、持続可能な物流の実現のために取り組むべき政策として、以下(抜粋)を軸に提示しています。

1)荷主企業や消費者の意識改革
 ①荷主企業・物流事業者の物流改善を評価する仕組みの創設
  荷主企業・物流事業者による物流改善の取組・実施状況が、消費者や市場からの評価につながるように、物流改善の取組等についてランク評価を行う等、取組を進めるインセンティブとなる仕組みを創設する
 ②経営者層の意識改革を促す措置
  一定規模以上の貨物の引渡し又は受取を行う荷主企業が経営者層を中核として物流改善に取り組むため、物流に関する管理責任者を任命し、当該管理責任者を中心として後述する中長期計画の策定等の取組を推進する措置について、その要件等の具体的な検討を進めること。また、そのようなサプライチェーンの全体最適化の視点から物流を捉えることができる高度物流人材を育成・確保することが必要であり、そのために産学官で連携した取組を支援する。
 ③ 消費者の行動変容を促す方策の実施
  再配達の削減や置き配の推進、梱包簡素化の受容等、物流改善において消費者に求められる役割を整理した上で分かりやすく示し、1回で荷物を受け取ることや、注文の際の余裕を持った配達日設定(輸送モードの設定も含む。)や、配達日の分散に対してインセンティブを付与するなど、消費者の行動変容につながる施策を実施する

2)物流プロセスの課題解の解決(非効率な商習慣・構造是正、取引の適正化、着荷主の協力)
  ①待機時間、荷役時間等の労働時間削減に資する措置及び納品回数の減少、リードタイムの延長等、物流の合理化を図る措置の検討
  ※法的措置の必要性については、これまで様々なガイドライン等が定められてきた中で、荷待ちや荷役作業等について、強制力のある手段によって、これまで気付かずに物流負荷をかけてきた事業者が物流負荷を軽減するために主体的に行動すべきであることについては、肯定的な意見が多く見られた。
  ②契約条件の明確化、多重下請構造の是正等の運賃の適正収受に資する措置の検討
  ③物流コスト可視化の検討 
   発荷主企業と着荷主企業との間の商取引においては、商品販売価格に物流費を含める商慣行(店着価格制)が存在する。この場合、注文者である着荷主企業側は、物流事業者の物流サービスの程度に関わらず、発荷主企業に対して同一の商品販売価格を支払うことになるため、着荷主企業にとって、繁忙期を避けた発注や発注の大ロット化やパレチゼーション等の物流負荷軽減に資する取組を行うインセンティブが働かない状態となっている。このため、上記②の運賃の適正収受を図る観点からも、基準となる商品価格を設定し、物流サービスに応じて価格を変動させる「メニュープライシング」の取組等、商取引における物流コストの見える化を促進する施策を推進する
  ④貨物自動車運送事業法に基づく荷主への働きかけ等及び標準的な運賃に係る延長等所要の対応の検討
  ⑤トラックドライバーの賃金水準向上に向けた環境整備の検討

3)物流標準化・効率化(省力化・省エネ化・脱炭素化)の推進に向けた環境整備
 ①デジタル技術を活用した共同輸配送・帰り荷確保等の検討
 ②官民連携による物流標準化の推進の検討
 ③物流拠点ネットワークの形成等に対する支援の検討
 ④モーダルシフトの推進のための環境整備の検討
 ⑤車両・施設等の省エネ化・脱炭素化の推進に向けた環境整備の検討
 ⑥その他生産性向上を図るための措置の検討

文責:JILS総合研究所 遠藤直也

 

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