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2024年問題へ対峙、持続可能な共同輸送に向けた議論─ロジスティクスシステム研究会11月会合報告

ロジ研

ロジスティクスシステム研究会では、第7回会合を11月18日(金)・19日(土)に実施しました。

11月会合は、通常の会合で実施している「参加メンバーからの事例発表」ではなく、参加メンバーの皆様に特定のテーマについて議論およびその結果を共有していただく、「集中討議」という位置づけで実施しました。

<実施概要>
1.日時 2022年11月18日(金)・19日(土) 各日とも10:00~17:00
2.開催形式 当協会会議室における集合開催

討議テーマ:共同輸送

今年度の集中討議のテーマは、2024年問題をはじめとしたトラックドライバー不足への対策の一つとして挙げられる「共同輸送」としました。
共同輸送のこれまでの事例に関する考察や、トラックドライバー不足や環境問題等への対応のために有効に活用するためのポイント等について、グループに分かれて議論を行いました。

<各グループの議論の概略>
○Aグループ
共同輸送のあるべき姿としてフィジカルインターネットのモデルに着目。これを実現するため要素として下記2点について議論を深堀。
・ユニットロード標準化について(フィジカルインターネット実現に必要な要素の一つである水平連携のための施策として)
・共同輸送の実施に係るコスト分析について(共同輸送においてはコストメリットが最大のモチベーションになるとの考えから)

○Bグループ
共同輸送の事例や新技術の事例(トラックの自動運転や輸送ルート自動生成等)の分析から、共同輸送の持続可能な運営に必要な要素として下記2点を提案。
・物流環境の変化等によって荷主の入れ替わりが発生しても対応可能な仕組みや新技術等の整備と組織運営(第三者的組織によるマネジメント)
・物流費削減等のコストメリット追及と並行して、中長期的な視点を持って取り組み、企業活動の継続に繋がる輸送システムの構築(データサイエンスの活用、テクノロジー開発への投資による自社への還元)

○Cグループ
共同輸送実現に向けて取り組む際に発生する課題を分析した上で、共同輸送の成功に必要な要素として下記2点を提案。
・共同輸送の目的を全員に理解してもらう(物流データを活用した共同輸送のメリットの見える化、SDGsの観点による経営層へのアプローチ)
・利害関係が発生しないスキームを作る(プレイヤー間の覇権争いを発生させない仕組みづくり、プラットフォーマーの活用)

○Dグループ
共同輸送の各事例について、それぞれの目的や課題を俯瞰した上で、様々な輸送サービスの中での共同輸送の位置づけについてポジショニングマップを作成。ポジショニングマップから、共同輸送の成功要因・失敗要因を以下のように取りまとめ。
・成功要因:マッチングによる、安定的な事業継続のための物量確保
・失敗要因:プレイヤー間でのサービスレベルの妥協によるストレスの発生

参加者の「気付き」、「有益」であると感じたこと(事後アンケートから)

○メンバーから意見が活発に出され、自分では思いつかない主張を聞くことができて新鮮でした。同じようなインターネット上の情報から議論が出発したとしても、メンバーごとの目の付け所の違いによって議論の結果が異なることが面白いと感じました。

○共同輸送は社会や企業における目的そのものではなく、あくまで手段の一つであるということを改めて認識することができました。また、共同輸送を実現するためには現場レベルでの課題が多くあり、従来の輸送手段や体制では「持続可能な共同輸送」は実現できないと感じました。

○様々なバックグラウンドを持つメンバーが同じテーマで一緒に議論をし、短時間で一定の方向感を持つ作業(議論内容をまとめること)ができたことが有益であると感じました。

○日常業務等と照らし合わせながら、共同輸送のあるべき姿やユニットロードの標準化、コスト分析の議論まで、時間的な制約があったものの今後の方向性を掴むことができ、有意義な討議ができました。2024年問題も喫緊の課題であり、「考える物流」が大切である事を認識することができました。

○共同輸送は、今までも、これからも必要であるという認識を共有することができました。また、共同輸送を継続して運用することの難しさをはじめ、共同輸送を推進ための課題の大きさやその複雑性について議論をすることができ、有益であったと感じています。

当日の様子

 
 

ロジスティクスシステム研究会概要・参加メンバー

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2022年度参加メンバー企業一覧:24社27名(社名50音順/2023年1月10日現在)
アセットソリューション、アビームコンサルティング、伊藤ハム米久ホールディングス、
エコネクト物流、SBSリコーロジスティクス、カリモク家具、関東柳川合同運送、
京セラコミュニケーションシステム、鴻池運輸、コヒーレント・コンサルティング、
ジョーンズラングラサール、シンフォニアテクノロジー、住化ロジスティクス、西濃運輸、
大成建設、帝人、東芝デジタルソリューションズ、トラフィックレンタリース、日本貨物鉄道、
ハンナ、ピー・アイ物流企画、日立製作所、日野自動車、ベネッセコーポレーション

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