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ロジスティクス高度化への取り組みとその優れた実績を顕彰する制度、ロジスティクス大賞。
今回、過去に受賞された企業のなかから、「日本気象協会様」にご協力いただき、応募のきかっけや受賞後の変化などについてお聞きしました。応募を検討されている方、是非ご一読ください。
【インタビュー先】 一般財団法人日本気象協会 様 2021年度ロジスティクス大賞 受賞 (聞き手 日本ロジスティクスシステム協会 JILS総合研究所 阪本)
気象による輸送影響リスクを予測し、定量的な判断を支援するサービス「GoStopマネジメントシステム」(以下、GoStop)で、2021年度ロジスティクス大賞を受賞した一般財団法人日本気象協会様。この表彰制度に応募した背景と、応募したことで得られたメリットを、本サービスの前責任者で応募論文を執筆した寺田三紗様と、現責任者の柴村哲也様に伺いました。
――まずロジスティクス大賞の受賞でどのような反響があったかをお聞かせください。
寺田三紗氏(以下、寺田) 受賞の一報を受けて直属の上司に報告したときには、「えっ?」と3回も聞き直されるほど驚かれました(笑)。物流業ではない私たちが、まさか大賞をいただけるとは予想していなかったのです。でも、すぐに「高い評価をいただけて良かった!」と、とても喜んでもらえました。
サービスをご利用くださっているお客様からも「すごく良いサービスだから受賞してよかった」と祝福していただきました。同時に「このサービスの利用者がもっと増えて、気象情報を活用することが物流業界で当たり前になっていくといいね」と、これからを期待するお声をたくさん頂戴しました。
一般財団法人日本気象協会 社会・防災事業部 交通ソリューション課 道路・鉄道G 寺田 三紗 氏
※所属は受賞当時
――ロジスティクス大賞の表彰制度はどのように知りましたか。また、なぜ応募しようと思ったかを伺えますか。
寺田 GoStopのサービス自体はお客様からの評判がよく、自信を持っていました。ただ、自社でニュースリリースを出したり、展示会に出展したりするだけでは思うように知名度が上がらず、もっと広く皆さんに知っていただく機会を探していたのです。そうしたときに出展した「国際物流総合展2021」でロジスティクス大賞の存在を知り、気象情報を使ってドライバーと荷物を守る私たちのサービスは、ロジスティクス高度化の取り組みを顕彰するこの表彰制度に当てはまる、と感じたことから応募を決めました。
――受賞によって、何か変化はありましたか。
寺田 物流業界における日本気象協会とGoStopの知名度が格段に上がりました。以前は展示会に出展してもGoStopが目当ての方はほとんどいませんでしたが、受賞後はこれを目的に来場してくださる方が増えました。展示会以外でもお問い合わせやご契約が増えています。ロジスティクス大賞のこの広報力には本当に感謝しています。
柴村哲也氏(以下、柴村) 社内でも変化がありました。Go Stopは寺田と私の二人三脚でスタートした開発プロジェクトでしたが、受賞後はメンバーも増え、現在は8名体制となっています。人数が増えたことでコンテンツ開発の規模を広げられましたし、開発スピードも速くなりました。これにより、お客様に新たなサービスを素早く、便利にお使いいただけるようになったと感じています。
一般財団法人日本気象協会 社会・防災事業部 交通ソリューション課 道路・鉄道G グループリーダー 柴村 哲也 氏
――GoStopがお客様から支持を得ているのはどんな点でしょうか。
寺田 このサービスでは日本気象協会独自の気象予測モデルを用いて、72時間先までの詳細な輸送影響リスク情報を提供しています。これによって悪天候が予想される数日前に、企業が関係各所と協議して輸送ルートの検討や運行中止といった判断を行いやすくなったという点が最も喜ばれています。
特に物流事業者様からは「当日になって慌てることがなくなった」「ドライバーが悪天候で帰ってこられないなどがなくなり、安全を確保できている」とご評価いただいています。荷主企業様からも「物流事業者に無理させずに済む」「事前に代替策を検討できる」といったお声をお聞きしています。
また納品先に気象情報を伝えて、「このような状況だからこれぐらい遅れます」といった見通しをお話しできることも、ご評価いただいている点です。
――このソリューションは、荷主と物流事業者が協働して物流課題を解決するのに役立つと感じます。どのような課題やニーズを捉えて開発を進めたのでしょうか。
柴村 開発にあたっては物流事業者様へのヒアリングを行いました。先ほど寺田が「72時間先までの詳細な輸送影響リスク情報を提供する」と申し上げたのも、ヒアリングで最大72時間前には輸送を手配したいと伺ったことを踏まえたものです。
また、「ホワイト物流」推進運動には、「異常気象時等の運行の中止・中断等」が盛り込まれていることから、特に台風や大雪に関する情報は手厚く出すこと。悪天候による道路への影響予測が一目でわかる見せ方にすること。そのほかお客様から、運行中止を判断するにあたり「発荷主と着荷主、そして物流事業者の全員が納得するように、説得力のある情報を出してほしい」とのご要望があったことから、気象予報士による解説情報も提供するなど、課題やニーズを細かく把握しながら開発を進めました。
――応募にあたっての論文執筆について、工夫した点があれば聞かせてください。
寺田 論文の執筆にあたり特に考慮したことが2つあります。1つは、GoStopが物流向けに特化した気象情報であることを、しっかり伝える、伝わるように書く、ということ。そしてもう1つは、GoStopを利用しているお客様事例を入れることでした。例えば物流事業者様は、長年の経験・ノウハウを生かして輸送計画を立ててこられたと思います。でも、想定外の異常気象となると、なかなか経験には頼れません。ですので、すでにお持ちのノウハウに気象情報を組み合わせれば輸送計画をグレードアップできるということを、実際に活用しているお客様の事例を通して伝えようと考えました。
――それでリアリティのある論文になったのですね。お客様事例は論文執筆のために集めたのですか。
寺田 もともとサービスの改善・向上のために、台風、大雨、大雪といったシビアな気象のあとにはお客様にヒアリングさせていただき、GoStopが提供する影響予測をもとにどのような対応をとり、どのようなメリットがあったのかを伺ってきました。論文には、サービス開始当初から収集してきたこれらを用いました。
――2024年3月には鉄道や船舶への影響を予測する新しいサービスコンテンツをリリースされました。
柴村 高速道路の輸送影響予測からスタートしたGoStopは、その後、国道に範囲を広げてサービス提供してきましたが、新たにトラック輸送以外の輸送手段である鉄道や船舶への影響予測を開始しました。トラックドライバー不足や環境問題への配慮からモーダルシフトが推奨されていますが、このサービスで企業がモーダルシフトを進めやすくなって、効率的な物流を実現していただけたらうれしいです。
――様々な気象リスクがある昨今において、貴協会が物流に果たせる役割をどのようにお考えでしょうか。
柴村 日本気象協会は「気象のチカラで人や社会の価値を創造する」を、目指す姿として打ち出しています。技術力・商品力・営業力をもって、もっと便利にする、もっと安全安心なものにする、もっと持続可能なものにする、そういう世の中に変革していくことに貢献したいと考えています。
物流はインフラだと認識しています。屋外を行く物流は、気象とは密接な関係があります。私たちが的確な気象情報をご提供し、それを有効活用していただくことで、このインフラを止めないことが重要だと思っています。
寺田 今もお客様からの要望を受けてコンテンツ開発を続けています。ロジスティクスに関わるすべての方の安全に貢献するべく、引き続きサービス拡充を目指してまいります。
――ロジスティクス大賞にこれから応募される方へメッセージをお願いいたします。
寺田 ソリューションというのは、様々な業界・企業と様々に連携することで、よりよいものが生まれてくると感じています。よい技術を持っているので物流・ロジスティクス業界で知名度を上げて、もっとよい社会をつくっていきたいという強い想いを持つ企業様にとって、ロジスティクス大賞は素晴らしい制度だと思います。
柴村 日本気象協会の場合、ロジスティクス大賞への応募を通して物流業界の方との交流の扉を開くことができました。この表彰制度は、自社が持つ物流・ロジスティクスに役立つ取り組みや技術を広く知ってもらうのに絶好の場です。異業界の方でも物流業界にどう飛び込んでよいか悩んでいるようであれば、ロジスティクス大賞への応募というこの制度を活用することをお勧めしたいです。
――JILSとしてもこの表彰制度が皆様のお役に立つよう、また産業界に貢献できるように努めてまいります。どうもありがとうございました。
・貴社のお取り組み事例が広く世に普及されることが期待できます。 ・貴社の知名度アップが見込まれるほか、受賞により貴社のネットワーク拡大にもつながります。
皆さまも、是非ロジスティクス大賞にチャレンジしてみませんか?
ロジスティクス大賞について
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