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先週、「レジリエンス」というワードでWEBで検索し、色々な資料を拝見しました。 その中でも、個人的に大変興味深いと思った資料をご紹介します。
先ず、(一般)レジリエンス協会、同会の2018年11月定例会のテーマ 「危機発生時のリーダーシップ」について、ヒューマンレジリエンス研究会座長、 深谷純子氏のプレゼン資料をご紹介します。
2011年の東日本大震災で福島第二原子力発電所における、想定外の事態でリーダー に必要なレジリエンスについて、この事例からの学びとして、 人的レジリエンスの課題「BCP担当者のメンタルヘルス」や「平時からレジリエンスを強化する取り組み」、 米国外務省の資料をもとに作成された「レジリエンスの低い組織」など、普段では目にしない視点からの 資料が印象的でした。 https://resiliencej.files.wordpress.com/2018/11/20181108_doc01.pdf 「危機発生時の人的レジリエンスの課題」ヒューマンレジリエンス研究会の 座長 深谷純子様のプレゼン資料
さらに、同協会WEBサイトで掲載されている、黄野吉博氏による「事業継続マネジメント(BCM)の考え方」 空気清浄第44巻第5号/2007年1月31日発行、も大変参考なりました。 https://resiliencej.files.wordpress.com/2014/07/2007_bcm_howto.pdf
以下は、黄野吉博氏の上記文献の引用です。
1987年、米国政府が半導体製造技術を世界一へ回帰させるためにSEMATECH(SEmiconductor- MAnufacturing TECHnology) を設立し、マサチューセッツ工科大学 (MIT) が基幹事業の識別 とリスク評価のためにBusiness Continuity Management Team (BCMT) を設置。
米国政府とインテル社、モトローラ社、TI 社など米国半導体企業各社が設置したSEMATECHは 目的の米国半導体業界の技術競争力強化を達成し、今は日本のルネサステクノロジーや松下電 器産業、韓国のサムスン社、台湾のTSMC社なども会員とする国際組織に変貌。そして、MITのBCMT はそれまで別々に行われていた基幹事業識別とリスク評価・防災・防犯をトータルシステムとして 捉える事業継続マネジメント(BCM) の考え方を普及させる嚆矢に。このBCM はその後、SEMATECHと SEMI 北米地区が1993 年に第一版を策定したSSQAの2002 年改訂に強い影響を与える。
米国の半導体業界がBCMに強く注目したのは、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件後。 これはワールドトレードセンター地区で被災したメリルリンチ証券他の数社がハリケーン用の事業 継続計画書(BCP) を転用し、安否確認、代替オフィスと代替ITシステムの確保などを行い、 1週間から4週間という短期間で、速やかに事業を復旧させたからであった。
この有効性の確認できたBCMをSEMATECHとSEMI北米地区がSSQAに組込み、第4版として2002年秋に公表。 このSSQA第4版が2003年から、世界の半導体業界にBCMを拡散させている。 なお、BCM自体は半導体業界に特化したものでなく、金融業、流通業、製造業、航空業などに広く活用 されているとのこと。
BCMで一番重要なことは、「いかなる災害・事故・事件が発生しても、自社はそれを乗り越えて安定供給 を行い、持続的に発展する」という文化を社内、関係先に定着させることである。また、一拠点の企業に あっても、「自然災害だから」、「想定外の事故だから」と諦めることなく、他社との連携も視野に入れ、 安定供給と持続的発展を是非目指していただきたい、とありました。
13年前の原稿ですが、如何なる状況下にあっても事業を継続させる、そのための仕組みをつくり、 企業文化として社内、関係者に定着させる、という部分が、当会の事業継続ウェビナー(2020年7月29日) にて講演いただいた、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ様、日清食品様、 シーエックスカーゴ様の3社の共通点であったこと、企業文化への落し込みの重要性を痛感した次第です。
釈迦に説法かもしれませんが、企業文化として根付かせるためには、一過性の取組みでは難しく、 継続的な教育と実務での実践および実践の問題・課題を社内で共有し、共通のナレッジにしていく、 このあたりの「習慣」の連続、連鎖が企業文化に昇華させていくのかもしれません。
今後の事業継続を「人材育成」視点で考える機会として、 8月27日のウェビナーをぜひご活用ください(JILS会員無料)。
■「今後の事業継続を見据えたWithコロナの人材育成のあり方」 日時:2020年8月27日(木)13:00~15:00 料金:JILS会員は無料 https://www1.logistics.or.jp/coronavirus/webinar/corona2008.html
担当 JILS総合研究所 遠藤 endo@logistics.or.jp
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