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ロジスティクス大賞"人材育成奨励賞"受賞「網干自動車教習所」インタビュー

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普及活動

大型車やフォークリフトなどの資格取得と物流現場に即した職務訓練を提供している有限会社網干自動車教習所様。認定職業訓練機関として多能工物流人材を育成・供給する事業で、2024年度ロジスティクス大賞 人材育成奨励賞を受賞しました。この表彰制度に応募した背景と、事業にかける想いを、代表取締役 廣橋一仁様と先任顧問 田中幸雄様に伺いました。

荷主、物流事業者、教育機関による三位一体のSCMへ、受賞はそのスタートライン

――ロジスティクス大賞に応募しようと思われたきっかけを教えていただけますか。

廣橋一仁氏(以下、廣橋) 当社がこの3年間に取り組んできた活動の集大成を発表したい、と思ったことがきっかけです。 自動車学校業界は、若年層の自動車離れなどにより経営難に直面しています。他方、物流の領域では人材不足が深刻化しており、近い将来に、両者においては経営難に直面することがあきらかです。

今回の取り組みは、自動車学校産業の存続と社会貢献の可能性を考える中で、物流領域に人材を供給することを思いたち、進めてきたものです。 その第一歩は日本ロジスティクスシステム協会(JILS)への入会でした。

当自動車学校の強みは、公安委員会指定の自動車学校(教育機関)であることに加え、労働安全衛生法に基づく労働局長登録の「認定職業教育機関」も担うことです。次に職業能力開発促進法に基づき、職業能力開発校「ロジスティック人材育成カレッジ」を開校。さらに教育組織のマネジメントシステムであるISO21001認証を取得しました。

そして、品質が担保された教育訓練で物流人材を育成していることを、物流・ロジスティクス領域の皆さんに知っていただけたらと思いロジスティクス大賞に応募したところ、このような大きな賞をいただくことができました。

――受賞の反響はいかがでしたか。受賞してよかった点もお聞かせください。

廣橋 受賞を通して私たちが提供する教育訓練をたくさんの方に知っていただけたことは本当にありがたく、うれしいことです。その一方で、これから私たちに対する期待はこれまで以上に大きくなると認識しています。社員には「とんでもなく大きな賞をいただいたのだから、自覚と覚悟を持って、ますます質の高い教育訓練を提供していかなければいけない。私たちも成長していこう」と伝え、気を引き締めているところです。

私は、荷主、物流事業者、そして私たち教育機関、この3者が一体となって、いわば三位一体のSCMを作っていきたいと考えています。この賞はそのためのスタートラインになるものだと感じています。

田中幸雄氏(以下、田中) ロジスティクス大賞のよさは、選考委員の方々が産学官に渡っていること。ここで評価されたことで、私たちの活動が独善的ではなく、社会性が担保されていることが証明されたと認識しております。私たちの商品である職業訓練を、社会に対して権威性を以て展開できるものとして自信をもって展開していけます。

――受賞にいたるまでの過程で苦労したことや、新たな発見につながったことがあれば教えてください。

廣橋 一生懸命になってつくりあげてきたものですが、特別に苦労があったとは感じていません。ただ、これからは今までよりも大きな努力が必要になると思っています。いただいた賞は営業活動を行う際に格好のPR材料になるでしょう。そうなればお客様も大きな期待を持って当校にやってくるはずです。それに見合った教育訓練を提供するために、スタッフも精進し続けなければならないと認識しています。

――御社の今後のビジョンをお聞かせいただけますか。

廣橋 先ほどもお話したように、荷主、物流事業者、教育機関という3者による三位一体のSCMを作り上げていくために、これから活動を広げていきたいと思っています。

田中 私たちの取り組みは、当社がある兵庫県西播磨地域の地域振興に結び付いていると思いますが、今はまだ社会全体には浸透していません。物流事業者における人材不足という社会課題や自動車学校業界の苦境を考えれば、この取り組みは全国へ拡散しないと日本の物流社会に貢献できるものではないと考えています。この機能は、指定自動車学校+技能講習機関がベースインフラとなるため、全国展開を図る訴求活動をする上でもこの受賞実績は生きてくると感じます。

日本には物流に特化した高等教育機関がありません。今回、私たちは職業能力開発校までは作り上げることができました。今後、同様のスキームを社会発信できる機関を本邦内に育成し、連携事業体を形成することで、物流市場に商品を全国レベルで提供し、将来的に「物流専門職大学院大学」といった、より国際基準に準拠した高度化した教育訓練研究機関に昇華してゆけばと願っております。日本の経済社会においては日本人による、日本人のための、日本人に資する日本の物流こそが、経済活動を支える底時からになると強く認識するところです。

――ありがとうございます。本日は、実際の教習の現場も拝見させていただき、「真」の物流人材に向けた貴社の熱意を体感いたしました。JILSは、ミッションに「ロジスティクス高度化と高度な人材育成」を掲げていますので、ぜひ私たちの活動に今後もお力添えいただきたいと思います。どうもありがとうございました。

2025年度「ロジスティクス大賞」

ロジスティクス大賞は、ロジスティクスの推進に向けて、顕著な努力をし優れた実績をあげたと認められる企業、機関、団体を表彰する制度です。優れた実績や成果を顕彰することで、ロジスティクスの社会的浸透と、ロジスティクス部門および関係者の意識高揚を図ることを目的としております。

受付締切日 2025年4月4日(金)

ロジスティクス大賞について

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