J-CLOPコラム 第2回 物流のKPIと可視化
物流におけるKPI(重要業績評価指標)の管理と可視化は、現場の課題を定量的に把握し、継続的な改善(PDCA)を回すために不可欠と言われていますが、導入している企業はまだまだ少ないのが現状です。一般的に、物流の評価はQCDES(Quality=品質、Cost=コスト、Delivery=納期、Ecology=環境、Safety=安全)のフレームワークを用いて体系化されます。
物流・配送・在庫管理の各プロセスにおいて、以下の指標が代表的です。
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分類 |
指標 (KPI) |
概要・目的 |
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Q (Quality) 品質・サービス |
誤出荷率、破損率、在庫差異率 |
顧客満足度向上、返品・再配送コスト削減 |
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C (Cost) コスト・生産性 |
物流コスト比率、人時生産性、荷役費 |
1人あたりの処理件数や出荷単価の最適化 |
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D (Delivery) 納期・配送 |
納品リードタイム、積載率、配送遅延率 |
配送遅延の解消、輸送効率の向上 |
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E (Ecology) 環境 |
CO2排出量、資材使用量 |
エコ物流、SDGsへの対応 |
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S (Safety) 安全 |
労働災害発生件数、車両事故率 |
安全な作業環境の維持 |
KPIを設定するだけでなく、現場のデータをリアルタイムで「可視化(見える化)」することが重要であり、これによって問題の早期発見やボトルネックの特定が可能となり、その結果から具体的な施策を検討できます。KPIを向上させるための施策を机上で検討し、投資額やオペレーション変更の難易度などを踏まえ、KPIの変化に応じて施策を実行していくことになります。この場合、KPI間の関係性を定義する必要があり、例えばハイブリッドトラックを採用すると、KPIとしてCO2排出量が2割削減される一方で輸送費が1割上昇する場合、その施策の実施の可否を判断する基準が必要となります。
そのためのポイントとしては、最終的なKGI(売上目標など)と現場のKPI(作業時間など)を結びつけたKPIツリーを作成し、関係性を明確にしておくことが有効です。1つのKGIに対して3〜5個程度のKPIを定義し、これらに基づいて判断することとなります。KPIを可視化することは人手でも可能ですが、多大な手間がかかりがちであり、そのためにDXツールの導入が不可欠でしょう。倉庫管理システムであるWMSや輸配送管理システムであるTMSの中に即時性の高いKPIが組み込まれることで、集計作業が削減されます。いずれにせよ、自社の目標や理念に応じて、QCDESをバランス良く可視化・管理できるKPIを設定することで、物流現場はコストを抑えながら品質を高めるといった「攻めの物流」に移行することも可能でしょう。
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