限られた予算でも人材育成を進めるために、知っておきたい助成金活用
社内だけの学びでは、人材の育成に限界がある。そう理解していても、外部の研修には費用がかかり、教育にかけられる予算には限りがある。これまで、教育の必要性を感じながらも、予算の都合から実施を見送ってきたケースもあるかもしれません。
こうしたときに、費用面から育成計画を後押しするのが、厚生労働省の「人材開発支援助成金」です。受講料に加え、訓練中の賃金の一部も支援の対象になります。ロジスティクスや物流の学びを検討する際に、知っておきたい制度をご紹介します。

計画的な人材育成を国が支援
厚生労働省の「人材開発支援助成金」は、企業が従業員に仕事に必要な知識や技能を学ばせる際、研修費用などの一部を助成する制度です。雇用保険に加入する従業員の研修などが対象で、中小企業も大企業も、要件に応じて利用できます。
業務に関わる研修では、「人材育成支援コース」が候補になります。このうち「人材育成訓練」は、原則10時間以上のOFF-JT、つまり通常の業務から離れて行う研修が対象です。外部講座でロジスティクスや物流を学ぶ場合も、職務との関連性などの要件を満たせば対象となります。
研修費用と訓練中の賃金を助成
正規雇用労働者等に「人材育成訓練」を実施する場合、通常の助成内容は次のとおりです。
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支援内容 |
中小企業 |
中小企業以外 |
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経費助成 |
助成対象経費の45% |
助成対象経費の30% |
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賃金助成 |
1人1時間あたり800円 |
1人1時間あたり400円 |
例えば、中小企業で受講料30万円が全額助成対象となる場合、通常の経費助成は13万5,000円です。助成後の経費負担は16万5,000円です。要件を満たせば、訓練時間に応じた賃金助成も受けられます。
※助成額には上限があり、企業規模・対象者・訓練内容などで条件が異なります。eラーニング・通信制は経費助成のみです。
利用には事前の準備が必要です。計画届の提出は、原則として訓練開始日の6か月前から1か月前まで。 企業が訓練経費を全額負担したうえで、訓練終了後に支給申請します。
まずは受講者、研修内容、日程、費用を整理し、自社で利用できるか確認しましょう。詳しい条件や手続きは、厚生労働省と都道府県労働局のサイトで確認してください。
人材を育成するJILSの講座のご紹介
物流企業の競争力強化に
物流企業の競争力を高めるには、生産性やサービス品質を改善し、荷主の課題に応える提案力が必要です。日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の講座では、物流コストや在庫管理、改善の知識・技術を体系的に学び、自社の収益改善や顧客への提案を担う人材を育てます。
- 物流現場改善士資格認定講座
現状の把握から改善の企画・実行、定着までを学び、データに基づく改善力を養います。自社の現場を題材に改善計画をまとめ、実践につなげます。 - 物流技術管理士資格認定講座
物流全般の専門知識と管理技術を学び、演習やレポート、論文を通じて、自社の課題と改善策を考えます。現場改善や荷主への提案を担う人材の育成に役立ちます。
荷主企業のリスキリングに
物流効率化法の改正により、荷主には荷待ち・荷役等時間の短縮や積載効率の向上等に取り組む努力義務が課されています。対応には、物流担当者に加え、調達・生産・販売の担当者も物流を理解し、発注・納品条件を見直す力が必要です。
- ロジスティクス基礎講座
物流の仕組みやコスト、在庫管理を学び、自部門の業務と物流のつながりを理解します。新たに物流改善に関わる担当者の学び直しに役立ちます。 - ロジスティクス経営士資格認定講座
経営の視点から物流戦略や財務、企業間連携を学び、ケーススタディを通じて課題分析と解決策の立案に取り組みます。ロジスティクス経営幹部(CLO)を育成します。
予算を理由に見送ってきた人材育成を、行政の支援を組み込んで実行へと進めましょう。
※助成対象・支給可否は、企業・受講者・訓練内容などの要件と労働局の審査で決まります。制度の記載は2026年9月時点の公的資料に基づきます。申請時には最新情報をご確認ください。