JILSニュース
2026.04.20 お知らせ

日本ロジスティクスシステム協会「2026年度活動方針」

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の2026年度の活動方針が、3月に開催した運営委員会および理事会にて承認されました。当協会は、本方針に沿って2026年度の活動を推進してまいります。会員の皆様には、引き続きのご支援ご協力をいただきますようご案内申しあげます。

2026年度活動方針

国内外を取り巻く経済・社会環境は依然として大きく変動しており、不確実性が増している。地政学リスクの高まりにより、グローバルサプライチェーンの安定性と効率性が揺らぎ、企業は従来よりも広い視野でリスク管理を進める必要に迫られている。

また、我が国が設定した2030年度までに2013年度比46%の温室効果ガス削減を達成するという目標まで残り4年となっている。脱炭素化は産業界共通の課題であり、企業は自律的に環境負荷低減に向けた取り組みを加速することが求められている。

国内に目を向けると、人口減少と労働力不足という構造的課題は深刻化しており、労働力不足を背景とした物流の持続性が大きな経営課題となっている。デジタル技術や自動化の導入、業務プロセスの革新による生産性向上への取り組みが欠かせない。

2025年1月に施行された改正物流関連二法をはじめ、トラックドライバーの労働環境改善と物流効率化の両立に向けた取り組みが本格化している状況下にある。2026年4月以降、特定荷主と特定連鎖化事業者には物流統括管理者の設置が義務化され、持続可能な物流の実現に向けた法令遵守が求められているところである。

JILSはこれまで、産・学・官、そして地域連携によってロジスティクス・物流の高度化と持続可能な社会の実現に寄与してきた。ロジスティクス・物流を企業経営の最重要テーマのひとつとして位置付け、戦略的に取り組むことが不可欠である。

JILSは、「ロジスティクスコンセプト2030」や「メタ・ロジスティクス」において、企業価値向上と社会課題解決を両立させるロジスティクスの重要性を一貫して示してきた。2026年度においても、この理念をさらに推進すべく、次の3つを重点方針として掲げる。

  • 持続可能な社会の実現:物流統括管理者 連携推進会議
  • 企業価値向上の実現とHRM推進:高度物流人材育成と物流現場改善による物流効率化
  • LX(Logistics Transformation)による全体最適の実現:標準化の推進

1.持続可能な社会の実現:物流統括管理者 連携推進会議

2026年4月から特定荷主と特定連鎖化事業者に選任が義務化される物流統括管理者が集い、交流する場「物流統括管理者 連携推進会議 (J-CLOP)」を展開し、産・学・官連携のもと活動を進める。J-CLOPは、法令遵守を第一の目的に掲げ

(1)荷待ち・荷役等時間の短縮
(2)ロードファクター(積載効率)の向上等

のための活動を展開し、産業界をはじめとする社会全体に対し、支援を継続的に行う。あわせて、J-CLOPの活動成果を情報発信し、産業界にロジスティクス・物流の問題に目を向けていただくための活動を強化する。

さらに、ロジスティクス・物流分野におけるSDGsへの取組みについて、2025年度に引き続き「女性活躍推進」に焦点をあて、関係者が情報共有・交流を進める場を設置し、現状や課題、取組事例の収集や普及啓発を行う。グローバル化への取組みとしては、国際物流強靭化推進研究会の活動を通じて、グローバルサプライチェーンのモデル、課題および事例等を提示し、世界的なビジネス環境の変化に対応する企業を支援する。

2.企業価値向上の実現とHRM推進:高度物流人材育成と物流現場改善による物流効率化

2023年度に取りまとめた冊子「物流変革を目指す全ての方々へ」をもとに、高度物流人材育成を目的としたセミナーを開催する。あわせて、物流統括管理者に求められる役割や能力要件をまとめ、物流統括管理者の活動を支援する人材育成プログラムを開発、実施する。

物流現場改善推進において、推進の大きな原動力となっている全日本物流改善事例大会が40周年の記念大会となる。この節目の年度に、取組みの中心となる「個人」を支援する制度を新たに設ける。これにより、物流現場改善の「取組み」、「企業」、そして「個人」それぞれを顕彰することで、物流現場改善推進の定着、中小企業への普及を目指し、活動を継続する。また、J-CLOPのKPIである「荷待ち・荷役等時間等の短縮」「ロードファクター(積載効率)の向上等」は、物流現場改善の取組みと親和性も高く、J-CLOPの活動と物流現場改善活動を連携させながら、物流効率化を推進する。

各種講座やセミナー等の人材育成事業を継続的に展開するとともに、採用、教育、人事評価、人材配置など、従業員を人的資源と捉えて有効活用するためのHRMについても検討を進める。

3.LXによる全体最適の実現:標準化の推進

AI、データ活用による需要予測、輸配送最適化、在庫管理の高度化など、テクノロジーの進展は物流効率化と持続可能性を両立する鍵となる。データの収集・分析の高度化により物流の可視化が進み、企業経営において物流さらにはロジスティクスを重要テーマとして位置付けるための基盤となる。

企業内外を通じて、テクノロジーを有効に活用するためには、ハード、ソフトの標準化のみならず、業務プロセスなどを含む広義の標準化が欠かせず、JILSは標準化活動に注力し、特に今年度はJISの物流用語改正に注力する。

2026年6月には、九州・東アジア 国際物流総合展 INNOVATION EXPO 2026をマリンメッセ福岡にて開催することとし、地域のロジスティクス・物流課題の解決にも貢献する。また、2026年9月には、「知恵と技術で、物流の未来を切り拓く。」をテーマに、ロジスティクス・物流関係者が一堂に会する物流専門展示会「国際物流総合展 2026」を、東京ビッグサイトにて開催する。両展を通じて、技術革新を活用した、労働力不足への対応、環境負荷低減に加え、さらなる物流効率化とロジスティクス改革を通じた持続可能な社会の実現に寄与する。