J-CLOPコラム 第7回 積載効率とその判断基準
積載効率(積載率)とは、トラックなどの輸送手段が持つ最大積載量(能力)に対して、実際に積載した貨物の重量や容積の割合を示す指標です。この数値を高めることは、物流コスト削減や環境負荷低減に直結することもあり、自社内では既に最大化を実施しているケースが多いでしょう。一方で、多頻度少量化の進展により積載効率は長らく減少傾向が続いていました。その向上を図るためには、自社内だけでは困難で、調達先や販売先を巻き込んだ取組が必要になると考えられます。
本稿では、積載効率の計算方法、判断基準、および向上させるための具体的なアクションをみていきます。
積載効率の計算方法として、最も一般的な「重量ベース」で、ある地点の出荷時点など瞬間的に計算する場合の計算式は以下のとおりです。
積載率(%)=(実際に積んだ貨物の重量÷最大積載量)×100
例:10トントラックで8トンの荷物を運ぶ場合:8÷10×100=80%
これに対して、距離の概念を加えた計算式は以下のとおりです。
積載効率(荷積みの良さと帰り荷の有無を含む)=積載率×実車率※
※実車率=実車走行距離÷総走行距離
もしくは、貨物量×輸送距離の概念となるトンキロを使うと、以下のようになります。
積載効率=輸送トンキロ÷能力トンキロ※
※能力トンキロ=トラックの走行距離×最大積載量
例:10トントラックで100km走行した場合:100km×10トン=1,000トンキロ
積載効率を向上させる判断基準としては、日本のトラック運送における平均積載率が約40〜50%程度であるのに対して、100%に近いほど良く、70〜80%以上が優秀な数値とされています。つまり、積載効率が70〜80%以上であれば運行回数が減り、燃料費・人件費が削減されている状態であり、50%以下であれば空荷(カラ)での走行や積み込み不足が発生している状況と言えるでしょう。注意すべきは、積載率が100%であっても、行き(往路)だけで帰りが空荷(0%)であれば、往復平均の積載効率は下がるという点です。
積載効率を向上させるための具体的なアクションとして、「梱包・荷姿の最適化(標準化)」には、T11型などの標準パレットを活用してトラックの荷台に無駄なく積めるサイズにすること、貨物のサイズを事前に計算して最適に配置すること(積載シミュレーション)、詰め物(あんこ)を減らして荷物をぎりぎりまで積むことなどがあります。
「配車・運行計画の見直し」には、複数企業の荷物を1台のトラックにまとめる共同輸配送の導入、1台のトラックで複数の仕入先を回って集荷するミルクラン方式、配送終了後の帰りに荷物(帰り荷)を積んで戻るルートを確保する実車率の向上(帰り荷の確保)があります。
「データに基づく改善」には、車種ごとの平均積載率を算出し、積載率の低いルートや荷主を特定する運行データの分析や、物流管理システム(WMS、TMS)を導入して現場の状況を可視化するシステム導入があります。
いずれにせよ、まずは現在の自社トラックの「実車率」と「積載率」のデータを集計し、「本当にトラックが荷物で一杯(あるいは重量オーバー)になっているか」を可視化・分析することが重要です。
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