特定荷主・物流統括管理者の情報交換会を3都市で開催 ― 延べ61社が参加
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は、特定荷主の物流統括管理者およびその取組を支える担当者を対象とした情報交換会を、2026年5月27日に名古屋、5月28日に東京、7月28日に大阪で開催しました。
3会場には、名古屋6社、東京25社、大阪30社の延べ61社にご参加いただき、物流効率化法への対応にあたり、各社が直面している実務上の課題や対応状況を共有しました。
物流効率化法では、前年度の取扱貨物重量が指定基準以上となった荷主・連鎖化事業者に、2026年5月末までの届出が求められました。指定を受けた特定荷主・特定連鎖化事業者は、物流統括管理者を選任・届出するとともに、同年10月末までに中長期計画書を提出する必要があります。
本情報交換会は、こうした手続きの進行にあわせ、5月の名古屋・東京会場では届出と物流統括管理者の選任を、7月の大阪会場では中長期計画の策定を、それぞれ主なテーマとして開催しました。
■ 名古屋・東京会場(2026年5月27日・28日)
名古屋・東京会場では、5月末の届出期限を数日後に控え、特定荷主への該当判断や届出、物流統括管理者の選任・届出を主なテーマとして情報交換を行いました。
はじめに、株式会社シグマクシスから「物流2024年問題の影響と現状に係る実態調査」の結果についての報告があり、続いてJILSから、参加企業を対象に実施した事前アンケートの結果を共有しました。
事前アンケート(回答30社)では、物流統括管理者について「選任済み・届出準備中」と回答した企業が17社で最も多く、その役職階層は執行役員クラスが16社でした。専任と回答した企業はなく、「物流以外の業務を主とする兼任」が17社(56.7%)となりました。届出や中長期計画書の策定を主導する部門は、ロジスティクス・物流部門が26社(86.7%)でした。
自由記述では、取扱貨物重量の算定にあたり、構内物流や拠点間の横持ち輸送をどこまで含めるか、個数で管理している部材をどのように重量換算するかといった課題が挙げられました。また、物流以外の業務と兼任する場合の時間の確保、法令上の統括管理に関する社内の決裁権限の設定、推進部門の職務分掌と物流統括管理者の管理範囲の調整など、選任後の権限設定や社内の役割分担に関する課題も挙げられました。
その後の情報交換では、特定荷主への該当判断、物流統括管理者の選任と支援体制、届出後に取り組むべき事項などについて、各社の状況や悩みを共有しました。
■ 大阪会場(2026年7月28日)
大阪会場では、5月末の届出を終え、10月末の提出期限に向けて中長期計画の策定が本格化する時期に、「関西J-CLOPフォーラム」として、その作成上の課題をテーマに情報交換を行いました。
はじめに、経済産業省近畿経済産業局から、中長期計画に関する制度概要、作成上の留意点および計画策定の視点についてご説明いただきました。続いてJILSから、参加企業を対象に実施した事前アンケートの結果を共有しました。
事前アンケート(回答24社)では、物流統括管理者について「選任済み(届出済み)」と回答した企業が18社(75.0%)となりました。中長期計画書の策定完了時期は、2026年9月を予定する企業が10社、10月が6社でした。
計画の作成にあたって困難を感じている項目は、「KPIの設定」が19社(79.2%)で最も多く、次いで「取引先や物流事業者との協議・調整」が18社(75.0%)となりました。自由記述では、路線便(特積み)が主体で積載効率を算定できないこと、容積勝ちの貨物があり重量のみでは算定できないこと、委託先が他社貨物と積み合わせる場合に自社単独の効果を把握しにくいことなどが挙げられました。
中長期計画書に記載した(記載予定の)実施措置としては、積載効率・便数の可視化が15社、トラック予約受付システムおよび到着時間・納品日時の事前指定が各12社、荷役等時間の計測体制の整備が12社となり、現状把握と運用改善に向けた取組が多く挙げられました。
情報交換では、KPIや数値目標をどのように設定するか、中長期計画にどこまで具体的な取組を記載するか、社内関係部門や取引先との協議をどのように進めるかなどについて、各社の考え方や取組状況が共有され意見交換が行われました。
■参加者の声
3会場の事後アンケートには、2026年8月5日時点で48件の回答があり、このうち37件(77.1%)が、催し全体について「大変満足」または「満足」と回答しました。ここでは、参加者から寄せられた声の一部を紹介します。
「グループ交流で実務担当者のリアルな現状や悩み等を共有でき、大変有意義であった」
「同じ製造業の会社様との情報交換会にて生の声をお伺いすることができ、当社の取り組み方向性が間違っていなかったことが理解できた」
「中長期計画の作成を進める中で感じている作成の難しさについて、実際に提出窓口業務をされている行政の方からご講演いただくことで、具体的なイメージを持つことができた」
今回の情報交換会を通じて、特定荷主への対応は、届出や計画書の作成にとどまらず、自社の物流実態を把握し、物流統括管理者を中心として経営層や関係部門、取引先を巻き込みながら取組を進めることが重要であるとの認識が深まったとのコメントもいただいております。


J-CLOPでは、今後も物流統括管理者およびその取組を支える皆様に向けて、実務に役立つ情報の提供、企業間の情報交換、人的ネットワーク形成の機会を提供してまいります。
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