J-CLOPコラム 第3回 ロジスティクスマネジメント
JIS(日本産業規格)では「物流の諸機能を高度化し、調達、生産、販売、回収などの分野を統合して、需要と供給の適正化を図るとともに顧客満足を向上させ、併せて環境保全、安全対策などをはじめとした社会的課題への対応を目指す戦略的な経営管理」と定義されるロジスティクスを、最適化できるように管理するのがロジスティクスマネジメントと言えるでしょう。その内容としては、「①在庫の適正化」、「②物流拠点(ネットワーク)の最適化」、「③物流拠点内の効率化」、「④①~③のリスクマネジメント」、以上を推進・可視化するための「⑤ロジスティクス戦略とKPIの設定」となります。①は、過剰在庫による保管コスト増と在庫切れ(欠品)による販売機会損失を同時に防ぐものです。そのために、DXとしての在庫管理システム(WMS)の導入や需要予測の精度向上などがあります。②は、需要地との距離や輸送費・保管費のバランスを踏まえて物流拠点の立地・規模・数を見直すもので、拠点の集約や分散、共同配送への参画などがあります。③は、ピッキング、検品、流通加工、梱包、発送などの物流センター内の作業の効率化をWMSなどのDXを活用して実施し、近年はロボットやマテハン導入による自動化などがあります。④は、災害、事故、パンデミックなどの緊急時でも安定した物流を維持するために、代替手段を確保したり、調達先や生産拠点、販売先などを適度に分散したりするリスク回避策となります。⑤は、「何をどこまでやるか」の戦略を立て、効果をKPIとして可視化し、問題点や課題が発覚すれば戦略に応じた施策を瞬時に展開します。昨今では、これらに関わるAIの導入もその施策の1つとなっています。
ロジスティクスの範囲はここまでに記載したような物流分野が主とされていますが、2000年以降はサプライチェーン上の全体最適を図るために、必要があれば調達部門、生産部門、販売部門との調整も行い、さらには調達先や販売先などとの調整も含まれつつあります。例えば在庫管理の観点から、販売が好調であれば調達も含めた生産の拡大を、販売が不調であれば調達を含めた生産の縮小を実施するために、ロジスティクス部門がコントロールするケースも出てきています。つまり、物流がモノを「運ぶ」「保管する」という実務(物理的な動き)に焦点を当てているのに対し、ロジスティクスはその全体的な「管理」「最適化」に焦点を当てており、場合によっては他部門との調整も実施するということです。
ロジスティクスはもともと軍事用語で、弾薬や食料を補給する「兵站(へいたん)」を指す言葉であり、前線で常に移動する兵隊に適切な供給を実施することがミッションです。もし弾薬や食料が不足することがわかれば、調達や生産にも範囲を広げることとなります。この経営手法により、業務効率化、在庫コスト削減、納期短縮、顧客満足度向上、企業競争力の強化を達成することとなります。
【J-CLOPメンバー企業募集のご案内】
J-CLOP(物流統括管理者連携推進会議)では、メンバー企業を募集しています。特定荷主・特定連鎖化事業者をはじめとする荷主企業(荷主メンバー)と、物流事業者・ソリューションベンダー・研究機関等(共働メンバー)が参加し、取組状況の調査・共有、企業間の情報交換、広報・情報発信、人材育成プログラムの企画・実施に取り組んでいます。
詳細・お申込みはこちら