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国際海上輸送の動静管理をSCM高度化へ繋げる-国際物流強靭化推進研究会 7月会合報告

お知らせ詳細

国際物流強靭化

2023年度の国際物流強靭化推進研究会は第2回会合を7月21日(木)に実施しました。
今回はコロナ禍の国際物流管理、特に国際海上輸送管理で問題となった、動静管理の取組み経過をA社にご発表いただきました。

同社では、2022年からトラッキングシステムの導入を検討、同年後半に複数社からB社システムに決定、2023年から導入開始、8月までは物流部門の一部でチューニング等の準備を行い、現在は物流部門全体に展開、2024年1月から海外販社へ展開のうえ、年度末までに検証・評価した後、2024年度にグローバル展開を予定しています。

A社は物流部門が“戦略部門”になるため、同部門の仕事の“当たり前”を変えるためのマインドチェンジと実績づくりに取り組むべく、実績戦略企画の“武器”として物流関連情報を適切な形で保管・共有し、自ら分析ができる環境づくりに取り組もうとしています。

《トラッキングシステムの決定に至るまで》
A社の複数社の総合評価の結果では、位置情報正確性/適時性や統計データ蓄積/ダウンロードでは各社優劣はなく、対象船社カバレッジやETA精度で差が出たようです。
その後の2社に選定後の機能評価(カバレッジ範囲やコスト等)ではほぼ互角の状況で、最終的には「導入・保守体制」の評価が最終決定に繋がったようです。

《アンケート回答結果の抜粋》
◆A社のトラッキングシステム導入経過と課題について、参考になった事や気付きなど
・API連携せず疎結合するのは良いアイデアだと思った。
・カスタマイズ、作り込み過ぎることのリスクは全く同感で、”疎結合”という考え方はとても参考になりました。
・貿易基幹システムで、全グローバルの貿易貨物情報を本社で入手できるということが、トラッキングツール導入による本社のガバナンス強化に大いに寄与していると知り、 
 弊社でもそのような姿を目指したいと思いを強くしました。
・本船の船積みからしか、トラッキングできないという所
・サプライチェーンのどの部分まで見える化すべきか
・導入経緯と導入の流れについて、詳細にご説明いただき、大変参考になりました。いろいろな質問にも一つずつ答えていただき、ありがたかったです。

◆「サプライチェーンの見える化の各社アンケート結果」について参考になった事や気付き等
・この先はますます導入が難しくなるが「見えないものは管理できない」のだから導入するしかない。
・他の荷主様の同じような課題と進捗で検討されていることがわかりました。
・ほとんどの企業様がトラッキングツール導入を検討されているということが認識できました。
・やはり他社も同じような課題を抱えているのと感じた
・グローバル全体と海外のみの違いについて
・グローバル全体と回答された企業は全て生産管理システムなども統一されていて理想的なのだろうと感じた。
・各社の取り組み状況、進捗がよく理解できました。

◆会合に参加してのご意見:会合を通じて得た「気付き」、「有益」だと感じたこと
・各社の関心事項に親近感を覚えた
・新規参加の会社様がおり、様々の方に会ってお話できることが最も有益だと感じる。
・トラッキングシステムの導入済の企業様と弊社と同じく検討中の企業様と情報交換できたことが有益でした。
・トレンドや世の中のレベルがわかったこと
・サプライチェーンの可視化については、程度の差はあれ、各社同じような状況で試行錯誤されていることがよくわかり、有益でした。
・トラッキングシステムの可視化、システム導入については、小職がまさに今取り組んでいるテーマのため、今回はとてもタイムリーな内容でした。
 
《関連情報》
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国際物流強靭化推進研究会

文責/担当:JILS総合研究所 遠藤直也

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