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JILSニュース

お知らせ詳細

デジタル時代におけるグローバルサプライチェーン高度化研究会/国際物流混乱の先のSCM、物流とは?

調査・研究

経済産業省は、①日本とアジア各国の経済関係の深化、②サプライチェーン強靱化といった二つの政策目的実現に資するアプローチとしてサプライチェーンのデータ連携に焦点を当て、今後の変化の方向性に影響を与える種々の要素についても考察を深めながら、官民が共同でアジア地域大でのデータ連携のあり方を検討し、取組を進めるため、「デジタル時代のグローバルサプライチェーン高度化研究会」を2022年6月に設置し、現時点で2回の会合を行っています。

今回は、第1回会合の事務局資料のご紹介します。




大変興味深い内容で、日本企業におけるASEANサプライチェーンの現状と問題点を確認、課題の一つである「サプライチェーンのデータ連携」が、その先で新たな産業を生み出す契機にもなるとしています。

要旨:サプライチェーンを取り巻く環境・構造はどう変化しているか

企業のサプライチェーンを取り巻く複雑化・不安定化している。サプライチェーンの途絶に繋がるようなリスク要因が増大していることに加え、サプライチェーン構造の脆弱性も指摘されるようになっている。

サプライチェーンの変動に対応するためには、データドリブンでサプライチェーンの変化を捕捉して、迅速に対応をとることができるような能力の強化が必要になっており、データを起点とした連携の重要性が増している。

但し、多くの企業にとって、サプライチェーン構造の多層化・サプライヤーのデジタル化遅れ・データ共有を忌避する文化などの背景によって、企業レベルでの取組として、上流・下流を含めたサプライチェーンデータを取得するハードルは依然として高い。

更に、サプライチェーンにおけるデータ連携は、その先で新たな産業を生み出す契機にもなる。

日本におけるSCデータ連携・可視化の状況

欧米の先進企業と比べてE2Eサプライチェーンの可視化の実現レベルが低いのが現状である。

調達・生産・販売の
上流・下流データを一元管的に集約、管理、意思決定に用いてる日系企業はグローバルで見ると50%以下。さらに、主要な製品、サプライヤーにおいて、E2Eのサプライチェーンがリアルタイムで可視化が実現できている日系企業はグローバル全体では16%に留まる。



日アジアのサプライチェーン政策の目指すべき方向性(仮説)

 日ASEAN友好協力50周年のBeforeとAfterの状況変化 を踏まえ、サプライチェーン強靭化・高度化を起点に、新たな地域経済統合の方向性について議論し、「日アジアサプライチェーン共創戦略」(仮称)として取りまとめる。
 ①企業・産業ワイドの各企業間を繋ぐDXの推進、②協調領域における連携エコシステムの創出、③アジア地域におけるデータ共有・連携基盤と関連規範の共有、まで、一気通貫で政策を構想し、その必要性・有用性を検討する。


サプライチェーンの構造的なアプローチには、実行系の物流も重要な要素となります。
当会の取り組みとして、10月14日より「国際物流強靭化推進ワーキング」が始動します。
国際物流強靭化に向けて、国内・国際の双方の観点から各種取組み事例の共有から我が国の国際物流の強靭化に向けた方向性、ロードマップ等を取り纏め、発信いきたいと考えております。
 
文責:JILS総合研究所 遠藤直也 customer@logistics.or.jp


《2022年9月14日更新版》

2021年度有価証券報告書等の斜め読み-棚卸資産が上昇/国際物流混乱の先のSCM、物流とは?

2021年度決算、2022年度の第一四半期決算が各社から発表され、既知の通りですが、売上や利益など業績好調な企業が多くなっています。

一方、昨年は好調だった米国の今年の4-6月GDP(国内総生産)は前期比年率マイナス0.9%、1-3月の同マイナス1.6%に続き、2四半期連続のマイナス成長下、景気後退に近い状況にあり、中国も今年の4-6月GDPは前年比+0.4%の低成長で、欧米と同様に前期比年率で約10%の大幅マイナスです。

このような状況下でも、日系企業各社における2022年度の第一四半期決算は比較的堅調で、いくつかのレポートを見ても、円安、withコロナによる経済再開、そしてインフレ(国際市況上昇等のプラス面)の影響があるとコメントされています。

「斜め読み」と題している通り、多くの企業を細かく分析した結果を語っている訳ではない点、予めご了承頂きたいのですが、いくつかの企業の2021年度有価証券報告書を読んでいて、気になる点があります。それは、棚卸資産(在庫等)の上昇、それに伴うキャッシュフローへの影響です。棚卸資産が10億から一千億と二桁上昇している企業もありました。また、棚卸資産の商品/製品が前年比1.7倍から2倍という企業もみられます。

一般的に、在庫を多く抱える場合、仕入れの支払時期と経費計上となる期のずれ、保管する倉庫の維持費などにも注意して現金管理を行うことが重要になります。何年も倉庫に保管されたままの在庫は、その価値が低下するリスクが高く、現金化することが難しいために資産とは呼べないケースもあります。在庫金額の増加は、キャッシュフロー上ではマイナスとなります。在庫は会社の現金の流れを悪化させる原因であり、在庫分を顧客に販売していたとしても、実際に入金されていなければキャッシュフロー上は依然としてマイナスになることは周知のとおりです。

そして、 もう一つ気になるのが、IMFがこの7月下方修正を発表した「世界各国実質GDP成長率」の数値です。21年の6.1%に対し、22年は3.2%、23年は2.9%と下振れが大きくなっており、今後ますます、在庫のマネジメントが重要になりそうです。

在庫の管掌は各事業部が担うことが多いですが、物流部門としても日々の原材料や仕掛品、製品等の動き、滞留等の情報のアップデートし、社内に発信することは重要な役割となりますが、属人化している業務の見える化、デジタル化による精度やスピードを向上させることが不可欠です。

地政学、自然災害、政策、新興・再興感染症等の不確実性が高まっている中、国際物流のコントロールは大変難しく、1社だけでの取組みには限界もあります。複数の企業が集い、意見交換することで、社内にいるだけでは見えなかった問題、課題を見出すことも大きなベネフィットです。
JILSでは10月より、国際物流の強靭化を各社連携(事例や関連情報の共有等)で目指す、国際物流強靭化推進ワーキングを立ち上げます。
カーボンニュートラルのスコープ3等も大きなテーマで、強調・連携で取組むべき大きな課題の一つです。
ご興味のある方は、ぜひ、ご参加ください。

文責:JILS総合研究所 遠藤直也 customer@logistics.or.jp



《2022年7月6日更新》

『通商白書(経済産業省)』2022年度版のご紹介
~サプライチェーンのアップデートには必見!~

経済産業省より、『通商白書』2022年版がが発行されましたので、お知らせいたします。
同白書は、国際経済動向や通商に影響する諸外国の政策の分析を通じて、通商政策の形成に貢献するとともに、国民等に対して通商政策を基礎づける考え方や方向性を示すものです。

サプライチェーン、SCM・ロジスティクス、物流に関わる方には必見レポートであり、同省の『ものづくり白書』『国土交通白書(国土交通省)』『交通政策白書(国土交通省)』『情報通信白書(総務省)』等とあわせてご確認ください。

個人的には、上記を統合させた『サプライチェーン白書』があると横串で一貫した施策の一層強力な推進につながるのではないかと期待しているところです。




以下、目次です。

第1部.地政学的不確実性のもたらす経済リスクと世界経済の動向 
  第1章. 世界経済に対する地政学的不確実性の高まりと経済リスク
   第1節. ロシアのウクライナ侵略による世界経済への影響
   第2節. 世界的な供給制約の高まり
   第3節. 先進国の金融政策正常化に伴う新興国経済への影響
   第4節. 世界における政府・民間債務の急増 

  第2章. 世界経済の動向と中長期的な経済成長に向けた取組 
   第1節. コロナ禍からの正常化を見据えた世界経済の動向 
   第2節. 米国経済の動向 
   第3節. 欧州経済の動向 
   第4節. 中国経済の動向
   第5節. インド・東南アジア経済の動向 

 第3章. 世界経済の長期的展望 
   第1節. 長期の人口動態と経済成長
   第2節. グローバルで加速するトレンド

第2部.経済構造・技術・地政学・価値観の変化に対応した通商の在り方:課題と機会 
 第 1 章. 共通価値を反映したレジリエントなグローバルバリューチェーン 
   第1節. グローバルバリューチェーンの実態と課題 
   第2節. 経済安全保障とサプライチェーンの強靱化
  第3節. 共通価値の可視化とサステナブルなグローバルバリューチェーンの構築に向けて
 第2章. イノベーションによって変化する世界の貿易構造と経済成長の道筋 
   第1節. テクノロジーと貿易
   第2節. アジア大のスタートアップによる新しい経済機会の創出
   第3節. 無形資産と経済成長
 
文責:JILS総合研究所 遠藤直也 customer@logistics.or.jp



《2022年6月27日更新版》

円滑で安定的な国際物流の構築に向けて/国土交通省
~関係者による国際物流に関する情報共有会合の開催結果

国土交通省は、農林水産省及び経済産業省と連携し、2022年6月17日(金)に関係者による国際物流に関する情報共有のための会合をWEB会議形式で開催しました。本会合では、関係者間で現在の状況、取組内容、今後の見通し等の情報共有を行うとともに、関係者がそれぞれの取組を連携して実施していくことの重要性が確認されました。

国際海上コンテナ輸送の需給逼迫が続いていることに加え、ロシアのウクライナ侵攻、上海のロックダウン等により我が国の国際物流を取り巻く状況が大きく変化しています。本会合は、これを踏まえ、直近の関係者の取組状況を把握するとともに、関係者間において現在の課題や今後の見通し等の情報共有を行うことを目的に開催。

会合においては、有識者から国際物流を取り巻く全体的な状況や、米国西岸の状況の発表とともに、船社、航空会社、物流事業者等の関係団体から現状、取組内容、今後の見通し等の説明があり、その後意見交換、質疑応答を行いました。

JILSからは、常設委員会である「会員・広報委員会」のもとに設置を準備している、「国際物流強靭化推進WG」の活動の方向性や概要について説明しました。
同WGは5月31日(月)に第1回準備会合を実施、現在、活動の方向性(両輪の活動:個社の国際物流力をつける、産業全体・国家レベルでもパワーを持つ)等についてのアンケート調査を実施中。第2回準備会合は7月13日(水)に開催します。
概要は以下の国土交通省の該当サイトから公表しています。

《公開資料一覧》
・議事概要
・議事次第
・野村総合研究所
・JETROロサンゼルス事務所
・OCEAN NETWORK EXPRESS(JAPAN)
・国際フレイトフォワーダーズ協会
・航空貨物運送協会(PDF形式)PDF形式
・日本ロジスティクスシステム協会

https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000615.html

文責/担当 JILS総合研究所 遠藤直也 customer@logistics.or.jp



《2022年6月8日更新版》

海外港湾の状況-北米西岸港、カナダバンクーバー港及びアジア主要港(2022年5月末時点)/国土交通省


国土交通省が収集、公表した海上コンテナ輸送の需給逼迫に関して、北米西岸港(LA/LB港、オークランド港)、カナダバンクーバー港及びアジア主要港(釜山港、塩田港、宁波舟山港、上海港、シンガポール港)についての主要港湾のアップデート情報です。

◆今回の主なアップデート◆

①LA(ロサンゼルス)/LB(ロングビーチ)港の状況
・LA/LB 港周辺海域の滞船数は 2022 年 1 月 9 日に 109 隻を記録し、1 月下旬まで 100 隻前後を推移したのち減少し、4 月から 5 月にかけては 30~40 隻程度で推移している。
・コンテナターミナル内に 9 日間以上蔵置されているコンテナに対する課徴金について、アナウンス効果により蔵置コンテナが減少していることから、導入の開始については延期を繰り返しており、2022年5月25日現在も延期中となっている。
・北米航路(横浜⇒LA)のコンテナ(40ft)スポット運賃は、2022年1月以降も上昇を続け、4月時点で 14,320 ドル。

②米国政府・議会の動きについて
・2022年3月15日、ホワイトハウスは、荷主、物流企業、港湾などのサプライチェーンに関わる利害関係者が物流情報を共有しサプライチェーンの改善を図るプラットフォーム(FLOW:Freight Logistics Optimization Works)の構築を発表。
・2022 年 3 月 31 日、海上輸送の管理等強化を目的とした海運改革法案が上院で可決。

③北米西岸労使交渉が開始
・2022年5月10日、PMA(太平洋海事協会)と ILWU(国際港湾倉庫労働組合)間の労使交渉が開始。現在の労使協定は7月1日に失効する。交渉が合意に至るまでの間、両者は貨物移動の円滑化に努めるとしている。
・今回の交渉ではターミナルの自動化が重要な論点になるものと見込まれる。

④上海市ロックダウン(都市封鎖)の状況
・新型コロナウイルスの感染拡大により、2022 年 3 月末に開始した上海市のロックダウン(都市封鎖)に伴い、従業員の移動制限等により、倉庫・工場等の稼働停止や内陸部へのトラック輸送の目詰まりが発生。これに伴い、輸入コンテナのターミナルでの滞留・バースの混雑等が発生。2022年5月18日現在、上海市内の封鎖措置はほとんどの地域で継続中であるが、稼働再開する工場や倉庫も出てきている。
・5月30日、上海市政府は、都市封鎖を6月1日に実質的に解除する方針を発表

詳細はこちらから



2022年5月2日更新版

上海ロックダウン長期化で米港湾が再び混乱する恐れと西岸港湾の労使交渉など

約1か月前の記事とはなりますが、今回は、JETROが公表している、ビジネス短信
「上海の都市封鎖の長期化で米港湾が再び混乱する恐れ(4/11)」と「米西海岸における港湾の労使交渉は5月12日から開始へ(4/20)」から抜粋してご紹介します。

ここ数週間で北米向けの海上輸送のアロケーションが緩和していると言われていますが、上記の記事中にあるとおり、全米小売業協会見通しでは、中国・上海で都市封鎖が長引いていることから、上海で通常操業が再開すれば、今夏には米国の輸入コンテナ量は再び急増する可能性があると見込まれています。

米国西海岸で太平洋海事協会(PMA)と国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)による労働協約が本年7月1日に満了するのに先立ち、労使交渉が5月12日から開始されますが、その争点として、荷役作業の自動化も重要議題に上がる可能性があると言われています。

過去2年間にわたる記録的な国内消費の高まりにより、特に西海岸における港湾の混雑や集荷の遅延は全米を揺るがす問題となってことや、輸送会社が記録的な利益を上げていることからも、労働者側がさらなる影響力を持つと予想されています。

言うまでもありませんが、地政学、パンデミック、政策不確実等で先行きの見通しが立て難い状況のもと、個々の事象に一喜一憂するのではなく、サプライチェーンへの影響を低減させ、SCM、物流を途絶させないためには、BCPの一環として常にあらゆる事態を想定し、代替の手段を周到に検討・検証のうえで準備しておくことが求められます。

当会では、5月23日(月)、JILSテーマ別研究会
「米国西岸港湾ストライキ海上輸送対策研究会-国際物流BCPを考える」を以下の要領で開催いたします。

1)日 時 2022年5月23日(月)13:30~17:00
2)形 式 ウェビナー(LIVEオンライン)と会場集合(東京都港区内を予定。お申込いただいた方へ追ってご案内いたします。) 
3)対象と定員 *定員になり次第、締め切らせて頂きます。
        *過去2回の関連ウェビナーのお申込は共に1,000名超えておりますのでご注意ください。
  第1部 講演会  :製造業、流通業、物流業、行政・自治体など(定員:970名)
  第2部 情報交流会:製造業、流通業(荷主企業限定)(定員:40名) 
4)参加料
  オンライン参加:無料(第1部講演会のみご参加いただけます)
  会場参加:有料(第1部講演会・第2部情報交流会にご参加いただけます)
       JILS会員:5,500円/1名(税込)、JILS会員外:16,500円/1名(税込)
5)内 容 
 第1部:講演会
     《北米西岸ストライキ予測》
     ~上海ロックダウンの影響も踏まえ~
      「北米西岸ストライキの可能性とその影響予測」
       ジャパントラスト(株) 代表取締役社長 菅 晢成 氏

     《フォワーダー企業からの物流対策の提示》
      ◆海上輸送/FCL  
      「北米向けFCL-毎週数百本のスペースを提供」
       ・米国西岸迂回ルート メキシコ、カナダ、米国東海岸経由を6月までに試行を
       ・ストライキの前に、現在のバックログを西岸経由にて大量輸送
        ジャパントラスト(株) 代表取締役社長 菅 晢成 氏
      ◆海上輸送/LCL    
       ~一般貨物、危険品だけでなく食品・定温・冷蔵等の混載サービスも提供中~
      「釜山、パナマ、ロッテルダム港経由による米西岸・東岸向け混載」
       ・ロスからシカゴまで専用トレーラーを手配、最短4日間で結ぶホットデリバリー
       ・パナマ、釜山からのアメリカ向け混載は当社だけで自社混載を提供中
        セイノーロジックス(株) 常務取締役 黒川 政人 氏
      ◆航空輸送
      「ロス、シカゴ、ダラス向けの航空機チャーターによるスペース提供」
           ・成田発ロス、シカゴ、ダラス向けに、週2便のチャーターソリューションサービス
           ・グループネットワークを活用し、アジア発成田への集約、到着後は全米、メキシコ、EUへの転送も可能
            (株)阪急阪神エクスプレス 取締役 赤松弘之 氏
 
 第2部 情報交流会(フォワーダー企業と荷主企業、荷主企業間の情報交流) *会場参加者限定
     ◆ジャパントラスト(株)、セイノーロジックス(株)、(株)阪急阪神エクスプレスの3社との情報交流
     ◆荷主企業間の情報交流
      ※当日は会場にて参加者名簿(会社名、所属役職、氏名)を配布いたしますので、
       予めご了承のうえ、お申込みください。

※本研究会の詳細は、以下のURLよりご参照ください。 
 https://jils.secure.force.com/StudyDetail?productid=a0R5F00000jWkly

《参考情報》
2022年1月に公表した国際物流混乱に関わるアンケート調査結果
国際海上輸送を中心とした国際物流の混乱に伴う
荷主企業の物流、サプライチェーンと SCM への影響アンケート調査結果《詳細版》

 
文責/担当 JILS総合研究所 遠藤直也 customer@logistics.or.jp



《2022年3月30日更新版》

アンケート速報版「ロシア・ウクライナ情勢によるSCM、物流への影響」

今般のロシアのウクライナ侵攻による「ロシア・ウクライナ情勢」が企業活動に大きな影響を及ぼしています。
公益社団法人日本ロジスティクスシステムシステム(以下、JILS)では、今般の「ロシア・ウクライナ情勢」に起因する「ロシア国内事業の影響」および、「グローバルのSCM、物流への影響」をJILS会員および産業界の皆さまと広く共有し、今後の対応策を検討されるうえでの一助とさせていただきます。
 
◆《速報版》の報告内容:ロシア・ウクライナ情勢における「ロシア国内事業の影響と問題」
  Q1-1:経営(売上、利益等)における今般のロシア情勢の影響度は?
  Q1-2:ロシアのSWIFT*排除等による商取引の影響は?
  Q1-3:Q1-2で「①影響大きい」に関する現時点の具体的な問題と対応。
  Q1-4:ロシア現地事業の影響、対応について
  Q1-5:影響を受けている自社の製品・商品(を取り扱う物流サービス)について
  Q1-6:Q1-5で「その他」と回答された方へ。製品・商品(を取り扱う物流サービス)※回答なし
  Q1-7:輸送途上のロシア向け貨物の荷降ろし(予定)について
  Q1-8:輸送途上のロシア向け貨物の販売(予定)について
                     *Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication(国際銀行間通信協会)
 
◆結果報告書の抜粋

✓経営(売上、利益等)における今般のロシア情勢の影響度は?
・経営への影響という観点からは、製造業、流通業、物流業にそれぞれにインパクトを与えていることが分かる。
・製造業では影響が「大きい」「ある」「少ない」を合算すると87ポイントとなり、何らかの影響を与えているという観点からは、製造業へのインパクトが最も大きい。


※業種別グラフ等は本文に掲載

✓ロシアのSWIFT排除等による商取引の影響は?
・経営への影響を裏付ける結果であるが、製造業に大きなインパクトを与えていることが分かる。なお、以下のようなコメントも得られた。
・現時点では大きな影響は無いが、輸出貿易管理令への抵触、当社サービスを利用したロシア輸送について注視している(物流業/利用運送・物流管理)等


◆速報のまとめ
回答者の4割程度が、経営に対するインパクトがあるとしている。
当該地域におけるビジネス以外にも、欧州向けビジネスへの影響や原油価格の高騰等の影響が懸念されている。現時点では影響は無いと回答する企業でも、今後の情勢を注視するとのコメントも複数あったが、ロシア・ウクライナイ情勢と共に、北米西岸ストライキ等の趨勢もウォッチしていく必要がある。
 
※アンケートの後半「グローバルのSCM、物流への影響」」については、内容がまとまり次第、ご報告させていただきますので、ご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。

担当:(公社)日本ロジスティクスシステム協会
    JILS総合研究所 遠藤直也
    customer@logistics.or.jp
 
◆当会では、グローバルロジスティクス研究会も実施ておりますので、あわせてご参照ください。
 https://www1.logistics.or.jp/newest/glogiken/



《2022年3月24日更新版》

米国西岸港湾ストライキの可能性とその物流対策を探る/国際物流混乱の先のSCM、物流とは?

2021年8月より国際物流混乱の実態と回避に関わる行政、団体等の情報をアップデートしてきましたが、諸般の事情により、改めてこちらから情報を発信いたします。

JILSでは、テーマ別研究会として、以下の無料ウェビナーを開催いたします。ウクライナイ・ロシア情勢によって、海上輸送の混乱が更に広がると共に、欧州発着を中心に航空輸送の混乱も広がっている状況です。

今回は日本企業において大変重要な市場である北米の「西海岸の海上輸送」に絞り、製造業とフォワーダーのリスクテイクの取組み事例を中心とした内容で開催します。

~北米向け海上輸送クライシス?!と国際海上輸送の在り方を考える~
「コロナ禍の米国西岸港湾ストライキの可能性とその物流対策を探る」

1)日 時:2022年4月14日(木)14:00~15:30
2)対 象:製造業、物流業、流通・小売業、情報・サービス業など
3)方 式:Liveオンライン
4)参加料:無料(JILS会員、JILS会員外共に無料)
5)内容:
     【事例1】
      ~未曽有の物流混乱のピンチをチャンスに、より強いサプライチェーンの再構築~
      「Drastic Supply Chain Reform―北米対応」
        本田技研工業(株) 二輪パワープロダクツ事業本部 SCM部 部長 永野 岳人 氏
     【事例2】
            ~NVOCCによる船舶チャーターの推進~
           「北米向け国際海上輸送の選択肢と西岸ストライキ対策」
        ジャパントラスト(株) 代表取締役社長 菅 哲賢 氏
     【パネルディスカッション】
              「日本の国際競争力を高める国際海上輸送の在り方を考える」
        モデレーター: (公社)日本ロジスティクスシステム協会 JILS総合研究所 遠藤 直也
        パネリスト  :本田技研工業(株)  二輪パワープロダクツ事業本部 SCM部 部長 永野 岳人 氏
                                        ジャパントラスト(株)  代表取締役社長 菅 哲賢 氏

※詳細、お申込みは以下のURLにてご参照ください。
 http://jils.force.com/StudyDetail?productid=a0R5F00000jVelp

参考情報1
2022年1月に公表した国際物流混乱に関わるアンケート調査結果
国際海上輸送を中心とした国際物流の混乱に伴う
荷主企業の物流、サプライチェーンと SCM への影響アンケート調査結果《詳細版》


参考情報2
回答期限2022年3月25日のアンケート調査
ロシア・ウクライナ情勢による「ロシアを中心とした」SCM、物流への影響

担当:JILS総合研究所 遠藤直也
   customer@logistics.or.jp
 

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