国際物流総合展2026 実行委員インタビュー
物流・ロジスティクスの「全体最適」実現へ
最新の「知恵と技術」を具体的なヒントに
国際物流総合展2026 実行委員会 副委員長
株式会社ダイフク 常務執行役員 イントラロジスティクス事業部門長
鳥谷 則仁 氏
9月8日(火)から11日(金)までの4日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて開催される『国際物流総合展2026 Logis-Tech Tokyo 2026』。物流リスク対応や物流DXの加速など、大きな転換期を迎える物流の世界。その中で開催される「国際物流総合展2026」は、どのような役割を果たそうとしているのか――。実行委員会の副委員長である鳥谷則仁氏(株式会社ダイフク 常務執行役員)開催への想いや見どころを伺いました。
鳥谷 則仁
Norihito Toriya
1988年、株式会社ダイフク入社。FA&DA事業部(現イントラロジスティクス事業部)システムソリューション部長、2016年FA&DA事業部営業本部長を経て、2017年執行役員に就任。2023年常務執行役員 イントラロジスティクス事業部長(現任)、2025年イントラロジスティクス事業部門長(現任)。今年度より国際物流総合展の実行委員会副委員長を務める。
来場登録予定者数は8万人超
アジア最大級の注目イベント
―――まず、『国際物流総合展』の概要についてご紹介いただけますか。
本展は、「物流」にフォーカスした交易振興・技術の向上・情報の提供・人的交流等を促進するために、関連展示会の統合により1994年度に誕生した物流総合展示会です。近年では2019年度に誕生(2020年2月に第1回開催)した『国際物流総合展INNOVATION EXPO』と交互に開催する形で2年に1度実施されており、回を追うごとに拡大・成長を続けています。第17回目の開催となる今回は、展示規模は600社・団体/3,250ブース、来場登録予定者数も85,000名を見込むなど過去最大になることは間違いなく、まさに「アジア最大級」と称されるにふさわしい注目のイベントとなっています。
物流機器やシステムを比較・体験できるだけでなく、自社の物流課題の解決策や、今後の設備投資・DX投資の方向性を検討するうえで、多くのヒントが得られる場になると考えています。
―――今回の開催に込めた想いをお聞かせください。
現在、物流・ロジスティクスを取り巻く環境が大きく変化していることは皆様もご存知のことと思います。働き方改革関連法や改正物流効率化法の施行、人手不足や原材料・燃料価格の高騰など、様々な影響によって現場には相当な負荷が生じています。業界に携わる皆様の日々の尽力により物流機能は維持できていますが、自然災害など不測の事態が発生すれば一段と逼迫した状況に陥るのは明らかで、「物が届くのが当たり前」という状況をこれから先も維持し続けるのは決して容易なことではありません。実際に、国の試算によると2030年には輸送能力が大幅に減少すると予測されており、この構造的な危機は日本経済全体が直面する重要な課題といえます。
一方で、モーダルシフトに代表される脱炭素化など、GXの取り組みも求められています。社会から見たインフラとしての「物流の重要性」が格段に高まっている中、従来の「人の力」に大きく依存した労働集約型の物流から、自動化・省人化を取り入れた効率的な物流へ段階的に移行し、持続可能な物流基盤を構築する必要があります。ただ、完全な無人化が直ちに実現できるわけでなく、そこへ至る過程では、人が機械へと置き換わる部分もあれば、人と機械が協調していく部分も出てくるでしょう。そこで欠かせないのが、最新の技術と人間の知恵であり、これらが融合しながら進化していくことで、物流の「全体最適」を実現できるのだと考えています。こうした背景から、本展のテーマとして「知恵と技術で、物流の未来を切り拓く。」というメッセージを掲げさせていただきました。
輸送を含めた物流の「全体最適」を、知恵と技術によってどのように実現していくのか。そして、社会的な課題に対してどのように貢献できるのか。そうした課題への挑戦や、その解決に向けた最新の取り組みを実際に見て、感じていただける場が『国際物流総合展』です

見る・触れる・聞く体験は
投資の貴重な判断材料に
―――どのような分野・技術に注目されていますか?
マテハン機器をはじめとした自動化・省力化に関する最新技術は、皆様も特に注目されている分野なのではないでしょうか。例えば物流センターでは、入荷、搬送、保管、ピッキング、仕分け、積み込みなど、各工程を支える設備やシステムは今、驚くほどの進化を続けています。特にAMRなど無人車系では、決められたルートを移動する「自動化」から、状況を判断してルートを考えながら動く「自律化」の段階へと進んでいます。このような最新の製品が数多く展示されていますので、ぜひその目で確かめていただきたいと思います。
さらに、そうした機器単体での進化に加えて、デジタル技術についても多数出展されるため見逃せません。WES・WCSに代表される、各機器を効果的に運用して倉庫全体の付加価値を高めていくような技術がそれにあたります。また、ドライバーの人員と積み荷の量などをもとに最適な輸送ルートを導き出す配車計画システムや、荷物の位置や状態を瞬時に把握する画像処理技術、仮想空間上で、物流センターやシステムを再現し効率や運用を検証するシミュレーション、デジタルツインなど、物流DXの加速に貢献するような技術も多数ご覧いただけます。このあたりもぜひご注目していただければと思います。
ダイフクも今回、非常に注目度の高い製品を展示する予定です。実機と実際の運用時の映像を組み合わせた、現場での稼働状況が想像できるような展示を企画していますので、お時間があればぜひお立ち寄りください。
―――来場者にとっての『国際物流総合展』の魅力とは?
やはり、実際に「物」を見る・触れることができるのが最大の魅力でしょう。現代は、製品の詳細なパンフレットやカタログ、稼働時の状況が分かる動画など、インターネットを通じて情報が簡単に取得できる時代です。そうした情報に目を通すことで、大まかな内容を理解するには十分かもしれません。しかし、実物を目の前にし、手で触れてみたりすると、やはり具体的なイメージの持ちやすさが大きく違います。その設備やシステムが、自社の工場や配送センターなどでどのようにレイアウトされ、どのように動いて効率化に貢献するのかが、より具体的にイメージできるようになります。当社でも滋賀県に『日に新た館』という体験型総合展示場を開設しており、そこで様々なマテハン・ロジスティクス機器をご覧いただけるようになっています。実際に動く機器を間近で見られたお客様は、「導入後のイメージができた」「検討へ向けての良い判断材料になった」などの感想をいただくことがあります。本展も、多くの方にとって実物に接する貴重な機会になると考えています。
システムなどのデジタル技術についても同様です。製品の中には実際の「物」を見るのが難しいケースもありますが、各ブースでスタッフの方に会い、詳しい説明に耳を傾けたり、その場で疑問点について聞いてみたりすることで、システム導入後の姿をより具体的にイメージしていただけると思います。
物流・ロジスティクスは企業経営における重要課題の一つです。しかしながら各社が抱える課題はそれぞれ異なります。本展で得た情報や具体的なイメージをもとに、自社では今何ができるのか、どこを自動化するべきなのか、また今後どこに投資をすべきなのかを考えるきっかけにしていただければと思います。3年先、5年先、10年先を見据えた「これからの物流」を考え、意思決定していく際のヒントにしていただければと思います。そういった意味では多くの関係者にとって、経営戦略や将来の物流のあり方を考えるうえで、有意義な機会となれば幸いです。

ニーズ高まる海外からも注目
市場開拓・拡大のチャンスに
―――出展者にとっての魅力はどういったところでしょう。
4日間で8万人以上の来場者と接するチャンスがあるわけですから、自社の製品や技術を幅広い方々に知っていただき、新たな商機につなげることができます。それに加えて、来場者の方々とのコミュニケーションを通じて、自分たちが今後どのような分野や市場で価値を発揮できるのかを考えるヒントも得られるのではないでしょうか。
また、回を追うごとに海外からの注目が高まっていることも大きなメリットです。私自身、アメリカのProMatやMODEX、ヨーロッパの各展示会、上海でのCeMATなど、海外の物流展を視察してきましたが、いずれも非常に盛況で、物流分野に対する世界的な投資意欲は今後も高まっていくと感じています。特に近年は、地政学リスクやコンテナ輸送費の高騰などを背景に、サプライチェーンの見直しが世界各地で進んでおり、注目度が上がっているのは間違いないでしょう。
さらに、こうした動きは先進国など物流市場が大きな地域に限ったものではありません。東南アジアをはじめとする成長著しい地域では、道路や電気などのインフラ整備が発展途上にある地域であっても、在庫の一元管理による効率化や精度向上、顧客ニーズへの対応力強化などを目的として、大規模な自動倉庫への投資が進められています。
このような中で、日本の物流機器やシステムにどのような技術が活用されているのか、世界中から注目が集まるのは自然の流れといえるでしょう。出展者の方々にとっては海外市場を開拓する大きなチャンスになることを期待しています。
国際物流総合展も近年は海外企業の出展や国外からの来場者が増加しており、グローバルな交流の場としての役割も高まっています。日本市場だけでなく海外展開を視野に入れる企業にとっても、有力な顧客やパートナーとつながることのできる重要なビジネスの場になっています。
―――来場を検討している方々にメッセージをお願いします。
現場の改善を担う方から経営戦略を担う方まで、それぞれの立場で新たな気づきやヒントを持ち帰っていただける展示会です。繰り返しになりますが、重要な社会課題である「持続可能な物流」の実現に向けた様々な情報やソリューションに触れていただくことができます。また、企業同士の交流や新たなお客様との出会いなど、人と人、企業と企業がつながる貴重な機会にもなるでしょう。さらに物流関係者だけでなく、学生さんや一般の方々が来場されても興味を持っていただけるよう、様々な視点で準備を進めているところです。多くの方々と一緒に目の前にある課題を乗り越え、持続可能な物流を実現する機運が高まるような展示会になればと考えておりますので、ぜひご来場ください。
国際物流総合展2026
Logis-Tech Tokyo 2026
知恵と技術で、物流の未来を切り拓く。
会期:2026年9月8日(火)~9月11日(金) 10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 東1~3、7・8ホール、西1~4ホール
来場事前登録 受付中
入場料3,000円のところ、来場事前登録者は無料となります。
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