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尖った人財が生きられる組織ですか?

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No.9(2023/7/4掲載)

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執筆者紹介

株式会社コクヨロジテム 企画推進室長 戦略人事プロジェクトリーダー 山本 紗代美

2019年に株式会社コクヨロジテムにキャリア入社。
 事業成長を促進する人事戦略や風土改革に注力するため、戦略人事PJリーダーとして活動を開始。2022年より経営戦略を担う。前職はコンサルタント。
※物流企業のHRM推進研究会 幹事

尖った人財が生きられる組織ですか?

4月です。年度初めで新たなスタートや変化が生まれている企業や人も多いのではないでしょうか。弊社のわたくしの組織にも新入社員たちが入ってくれまして、ドキドキしながら研修を受けてくれている真っただ中です。こちらも彼らとのコミュニケーションを通して、良い刺激をもらっています。

さて、前回に引き続き、Sunstar Group Logistics研究室 室長の荒木協和様との対談内容も踏まえつつ、増やしていきたいロジスティクス人財について、わたくしの視点をお話ししてまいります。

「ロジカルとサイエンスで語れる人財が必要ですよね」という前回の対談の中でのお話でしたが、実はもう1つ、対談の中で私も共感すると同時に課題感を持っている人財に対する視点がありました。

それは、「とんがっている人が必要ですよね~」ということでした。多くの企業でも、イノベーションを生むために、成長を加速するために、様々な尖った人や個性を求めるということはよくあります。ダイバーシティ経営と表現することもありますね。世の中の成功された経営者の方々にも、SCMやロジスティクス領域において成果を出す組織を創って率いている方々にも、尖っている方は多いですし、対談させていただいた荒木様も良い意味で尖っていらして個性的。

ですが、そういう人財を獲得するのも育てるのも、これまた非常に難しいです。大企業になればなるほど、そんな人ばかりでは安定的に事業運営できませんからね。マジョリティである標準的な層に合わせた育成や評価にならざるを得ないため、仮に尖った人を獲得できたとしてもいづらくなりますし、ポテンシャルがあったとしても埋もれていくことになります。

かく言う私も、尖ったというか個性強めの人間だと自覚しています。毎月このコラムを読んでくださる方はお気づきかもしれませんが(笑)。

初回のコラムで、私は弊社に入社して3日で辞めようと思ったと書きました。「新しい風を吹かせてくれ」と言われて、本当に新しい風を春一番のように吹かせたら、みんなびっくりして目が点になって、止められましたね。「話がちがうや~ん」って思いましたし、辞めようと思いました。

それでも今ここにいられるのは、けっして尖るのをやめたからではありませんよ。ちょっと吹かせる風の風量と風速を抑えてはいますが、風を吹かせる範囲をなんならロジスティクス業界全体に広げてしまっているくらいです。今ここにいられるのは、○○で誰かや組織や世の中のためになるという自身のビジョンに対する強い意志や情熱と、上記のような入社当時を支えてもらって、今も応援してくれている、弊社の当時の社長と取締役の二人のおかけだなと思います。支えてくれた二人は年齢によって役割が変わった今も、取締役とシニア社員としてバリバリ活躍していますし、時々、私のおしゃべりに付き合ってくれます。私としては勝手に同志のような気持ちでいます。

どんどん余談に突入しそうなので、話を戻します。尖った人が尖ったままいられ、尖った人財をを組織の価値として活かすために、何が必要か。それは、ガラスの天井でも立ちはだかる高い壁でも、突き抜けるだけの「情熱」を本人が持つことだと、私は考えます。そしてその情熱を持ち続けられるように共感、支えてくれる同志も必要です。

事業の安定運営は当然のこととして、それだけでは企業として業界として存続できない時代です。非連続な変化の中で変革やイノベーションを実現するためには、尖った発想や想いをカタチにして突き抜ける必要があり、そうしようとすると、それを阻む様々な環境要因に直面します。無意識の抵抗勢力もあるかもしれません。それでも事業課題や社会課題を自分ごととして、本気でそれを解決したいと思えるか、自分を他者を突き動かせる情熱を持てるか、それが突破力になるはずです。

そして同じ志を持つ仲間がいれば、いろんなアプローチで助け合え、踏ん張れると思います。ちなみに、またわたくし事ですが、先ほどの二人の同志に加えて、今は、共に仕事をする人たちの中にも同志はいてくれますし、他社で働く人の中にもいてくれますし、私に様々な機会をいただけるJILSさんの中にもいてくれます。もはや、同じ組織の中でも外でもどこでもよいとすら思います。

今回はマインド中心の話をしていますので、本人が情熱をもって、同志もいれば、それだけで組織の中で尖った人財を活かせるのか?という疑問を持たれた方もいるかもしれません。制度や仕組みももちろん必要です。その整備も手掛けていますが、それはまた別の機会にご紹介いたしますね。

さぁ、というわけで、前回ご紹介しました、JILS主催でわたくしがコーディネーターを務める「ロジスティクス Youth フォーラム」において、みなさまとご一緒するのは、「ロジカルとサイエンスに情熱をのせて語り、同志を増やせる人財創り」です。自然と情熱をのせられるようになり、同志ができてしまうというのが、今回のフォーラムが一般的なセミナーや研修などとは一線を画しているところです。参加いただく方ご本人だけでなく、その方が所属されている組織や企業も巻き込んだ人財創りになる予定です。皆様と共にロジスティクス業界の変革を推進していきたいです!

詳しくは下記リンクへ。

ロジスティクスYouthフォーラム