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ロジスティクス人財を増やしたい!

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No.8(2023/3/15掲載)

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執筆者紹介

株式会社コクヨロジテム 企画推進室長 戦略人事プロジェクトリーダー 山本 紗代美

2019年に株式会社コクヨロジテムにキャリア入社。
事業成長を促進する人事戦略や風土改革に注力するため、戦略人事PJリーダーとして活動を開始。
2022年より経営戦略を担う現職。前職はコンサルタント。
※物流企業のHRM推進研究会 幹事

対談者紹介

SUNSTAR GROUP BUSINESS PARTNER ロジスティクス研究室  室長 荒木 協和

ロジスティクス人財を増やしたい!

春の気配を感じてワクワクする3月ですね。ワクワクついでに素敵なお知らせから。
ロジスティクスYouthフォーラム始めます!!!」(概要はリンクから)

前回のコラムにもありました「思考の多様性」がもっとロジスティクス業界で浸透すれば、何か面白いことが起きそうだと考えていました。そして常々、事業変革やイノベーションを本気で熱意をもって推進するロジスティクス人財をもっと増やしたいと切望していました。

そうしたら、これまでのコラムでも触れてきたような業界が抱える課題の解決にもつながりますし、もちろん新たな価値を創造するようなパラダイムシフトも起こせるかもしれません。私の熱意が溢れすぎなのかもしれませんが…(苦笑)、そんな人財を、仲間を増やしたい、あんなことしたら、こんなことしたら、と妄想する日々。妄想をあちこちでお話ししていましたら、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)と一緒に実現できることになりました。

前置きが長くなりましたが、そういうわけで、企業の垣根を越えて業界全体で、未来の変革人財を創っていこうという試みをやります。それが、JILS主催のロジスティクスYouthフォーラムです。わたくしもコーディネーターとして関わらせていただきます。お問い合わせ、お申込みお待ちしています。

さて、お知らせの内容とも関連しますが、今回は「ロジスティクス人財の育成」というテーマでSunstar Group Logistics研究室 室長の荒木協和さんをお招きして対談をしましたので、その模様を今回と次回の2回にわけて、お届けいたします。


山本 育成をテーマにお話ししたいとお誘いしたわけですが、荒木さんとは初めましてではないものの、ゆっくりお話ししたことなさすぎて…興味津々でして。まずは荒木さんのロジスティクスへの想いやスタンスなどもぜひ聞かせていただきたいのですが。この業界はもう長いんですよね?

荒木 40年は経ちますね。もともと家業として物流会社をやっていたところからスタートして、サンスターに入ってからももう30年弱です。バブルの名残りも経験しましたし、現場の何たるかみたいなところもリアルに経験しながら、いろんな立場で携わってきました。

山本 すごいっ!いろんな時代の中で物流を経験されてこられたのですね。サンスターに入られて変わったことなどありますか?

荒木 長くサンスターにいますから、会社への愛着というのもあるにはあるのですが、元運送会社として他人(荷主)のモノを扱っていた人間としては、自分のモノを取り扱えることが嬉しいんですよ。自分で物流会社をやっていたときは、当然ですが、お客様(他社)の荷物ばかりでしたからね。会社のブランドに愛着を持つというよりは、荷物に愛着を持つ感じですね。

山本 そういうものなのですね。荷物自体に愛着をもつという表現は初めてききました。サンスターの中でロジスティクスに携わられて、メーカーという立場もありながら、人材まわりで感じられている課題はありますか?

荒木 現在の物流は、管理している人間と管理されている人間の、所属会社や居場所が乖離しています。メーカーの中で物流現場以外で育った人間が、管理者になって現場にも行かず予測やリスク管理をしないといけないのですが、現場を経験したことがないから、状況判断や適切な意思決定ができないケースは多々あります。物流が止まったとなっても、それがなぜなのか、どこが悪いのかという感覚が持ちにくいです。改善をするとなっても、机上で数字をさわって終始することも多いです。リアルな現状をロジカルにそしてサイエンスに数字で語れる人の不足を感じます。結局、物流会社だけの責任にしてしまうケースが多いですね。

山本 そういう話は、他社さんでも自社でもよく聞きますね。サンスターさんもしくは荒木さん個人は、どうやってその課題に向き合っていらっしゃるんですか?

荒木 若手のうちに現場に一緒に入って、楽しく夢がある部分を説明したり体験してもらって、面白さと将来性に気づいてもらうということをなるべくやっていました。如何せん、人材の流動化も激しい時代ですから、体験から気付けではなく、面白さと将来性を教えることが大切だと思います。


ロジスティクスに精通した荒木さんのおっしゃる通り、物流の現場における勘所をおさえつつ、ロジカルとサイエンスで語れる人材、そういう人材がサプライチェーンをつないでいけば全体最適をもってロジスティクスを制することができると思います。

そして、ド素人でロジスティクス業界に飛び込んで経営戦略に関わっている私の視点からは、そこにさらに付加するとよい人材要件というのかマインドがあると考えます。そんな両者の考えを合わせた上で、実は冒頭にご案内しました、Youthフォーラムを荒木さんにもご支援いただけることになりました。

次回は、もう少し詳しくどのような人材を増やしていきたいか、わたくしの視点も合わせてお伝えしてまいりますので、お楽しみに。