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効率化より大事?!なES(従業員満足)

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No.4(2022/09/28掲載)

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執筆者紹介

株式会社コクヨロジテム 企画推進室長 戦略人事プロジェクトリーダー 山本 紗代美

2019年に株式会社コクヨロジテムにキャリア入社。
 事業成長を促進する人事戦略や風土改革に注力するため、戦略人事PJリーダーとして活動を開始。2022年より経営戦略を担う。前職はコンサルタント。
※物流企業のHRM推進研究会 幹事

効率化より大事?!なES(従業員満足)

前回のコラムでお話をきかせていただきました、アサヒロジスティクスの井上様。「ぜひうちの会社(コクヨロジテム)でうちの社員たちにお話をきかせていただけませんか?」という私からのオファーに快く応じていただき、講演会が実現しましたので、今回はそのご紹介をしましょう。


暑い8月某日、アサヒロジスティクス井上様をコクヨロジテムの関東圏の配送センターにお招きし、主に配送センターの管理職たちを対象に、熱い講演をしていただきました。関東圏以外の全国の管理職たちは会場とwebで接続し、リアルとオンラインのハイブリッド型のライブ実施となりました。

2024年問題をテーマにしながらも、それを広義にとらえた取り組み、ES(従業員満足)経営についてなどもたくさんお話をしていただきました。具体的な取り組み内容は、以前のコラムでもお伝えしていますので今回は割愛しますが、弊社コクヨロジテムの社員たちの得た学びを中心にお伝えします。

アサヒロジスティクスさんの2024年問題に関連する各種取り組みが学びになったことはもちろんですが、CS(顧客満足)のためにESを大切にされていることを特に新鮮に受け止めていた管理職たちが多かったのが印象的でした。
経営理念でも、「CS=ES=CS...」や「物流業界を憧れの業界に...」という言葉で表現されていて、それらが随所に感じられる取り組みに興味を持っていました。前回までのコラムでご紹介していないものですと、従業員の永年勤続表彰や、従業員の家族や地域に開かれたイベントの実施など、身近な人を思い浮かべられるような取り組みがESと結び付けて考えやすかったように思います。

例えば永年勤続表彰、言葉だけきくとうちでもやっているよという企業も多いかと思います。しかし、これに本気で想いを込めて労力をかけている企業がどれだけあるでしょうか。対象者が十人いれば十通りの働いてきた歴史もライフイベントもあって、そのひとつひとつに想いをはせて、一緒に振り返って感謝を伝える。その準備に携わる人も、表彰を受ける人も、また表彰を受ける人の仲間や家族もその幸せな時間に立ち会うことができるのです。アサヒロジスティクスさんで行われていることはそういうことなのだと感じます。

携わる方の生の声として今回きかせていただけたからこそ、自分たちの仕事の範疇の中にそういうことが存在しているのだと心からの気付きを得られたのだと思います。
この場を借りて改めて、お礼をお伝えしたいです。
アサヒロジスティクス 井上様、本当にありがとうございました。


ES(従業員満足)の要素は、理念、仕事内容、評価、風土、環境、待遇、福利厚生などいくつかあります。多くの企業が、事業価値を高めるためにも、人材定着をはかるためにも、ESの重要性を認識し、何らかの施策を打たれていることでしょう。

とは言うものの、前職のコンサルタント経験や現職のコクヨロジテムでのケースもそうでしたが、評価制度や環境面などの目に見える要素へ手を打っている企業は増えてきたものの、風土など目に見えず時間がかかる要素へ着手できている企業は少ないと個人的には感じています。更に言うならば、目に見える要素の施策もそうでないものも、効果が出るかどうかは、人の感情に左右されるところが非常に大きいのですが、それを認識して施策を実行できている企業は稀だと痛感しています。

コクヨロジテムにおいては、物流業の特性でもあるかもしれませんが、効率化などオペレーション上の課題偏重傾向が強く、ESの追求はずいぶんと後回しにされてきていました。この数年でその目に見えにくい要素や、人の感情によるところにアプローチを始めていまして、実感としてもESサーベイのような定量的な結果としても、少しずつ効果が表れ始めました。その延長線上に、主体性が生まれ、効率化や事業価値の向上があると考えています。

多様な人材に活躍してもらいたい企業は、多様なESのカタチを模索し続ける必要があります。そして従業員だけでなく、その家族や地域社会といったところにまで範囲を広げてこれを考えないといけないかもしれないと気付かされました。
「ES(従業員満足)は1日にして成らず」ですね。

次回は、また新たなゲストをお迎えしてのコラムになります。お楽しみに。

>>次回 物流現場にフレックスタイムは無理なのか?!