本文へスキップします。

H1

労働力不足に効く?!自社の魅力

コンテンツ

No.3(2022/08/17掲載)

記事一覧に戻る

執筆者紹介

株式会社コクヨロジテム 企画推進室長 戦略人事プロジェクトリーダー 山本 紗代美

2019年に株式会社コクヨロジテムにキャリア入社。
 事業成長を促進する人事戦略や風土改革に注力するため、戦略人事PJリーダーとして活動を開始。2022年より経営戦略を担う。前職はコンサルタント。
※物流企業のHRM推進研究会 幹事

対談者紹介

アサヒロジスティクス株式会社 人財本部 採用育成グループ 育成担当マネジャー 井上 健

1999年にドライバーとして入社(大手飲料メーカー様の自動販売機オペレーター業務)。営業所長を経て、2014年に人財育成担当に就任。
企業内大学(アサヒ人財育成大学)を運営。就任当時の1クラス運営を、現在では4クラスの階層別教育にまで発展させた。新入社員研修、フォローアップ研修(1年目~5年目)、中途採用社員研修、公募社員研修、新任拠点長研修、その他研修で3,500回以上の登壇。その他、企業主導型保育事業 助成金申請を担当。また、2015年~2018年の4期に渡り、中期経営計画発表会プロジェクトリーダーを務める。

労働力不足に効く?!自社の魅力

「ダイバーシティが物流を制す?!」という大テーマのもと、前回は「2024年問題と多様性」というテーマで、アサヒロジスティクス井上様との対談の模様をお伝えしました。「労働力不足と多様性」というテーマに途中で変容しましたが、今回もその続きをお送りいたします



【対談】
山本 アサヒロジスティクスさんでは、女性ドライバーの方々のご活躍以外にも、リーダークラスの方々を含め、イキイキとお仕事をされている方が多い印象を勝手に持っていますが、いかがですか?

井上 そうですね、なんだかんだ言いながらも、みんな楽しそうに仕事をしています。好きなんでしょうね、自分の仕事が。

山本 サラッとおっしゃいましたけど、それってすごいことですよね。ご自身の仕事にそれぞれやりがいを感じていらっしゃるとか、何かしらそう思えるものがあると思うのですが。

井上 当社は食品物流ですし、荷主様である大手コンビニさんのお仕事をはじめ、自分たちの運んだ商品がこんな風に社会とつながっているのだということを、意識しやすいということは大きいと思います。

山本 たしかに、それはありますよね。コクヨもそういうところはあります。オフィス空間を中心に、世の中の働き方の多様性を支えることにつながる仕事をしているという自負もありますし、やりがいも感じてくれている社員は多いです。

井上 さらに言うならば、近年、M&Aも含みますが国内のエリアという意味でも自社の事業が拡大している中で、事業価値を提供できる範囲が広がっています。それだけ世の中の役に立てることも広がっているということでもありますから、そういうところも、社員たちは自分たちの仕事の意義として感じられているかもしれません。

山本 おっしゃるような主要事業の拡大以外にも、異業種にも広げていらっしゃいますよね?

井上 企業主導型保育事業や障がい者雇用と完全密閉型水耕栽培を融合させた就労継続支援B型事業もあります。これは人財育成の一環で企業内大学を運営しているのですが、その中で受講生が考えたアイデアが形になった事例です。学習テーマは2つで「当社をより好きになる企画を立案し、実行に移す」「会社パンフレットに掲載できる内容にする」でした。格好良く言えば、社内ベンチャー制度かもしれませんね。私自身も事務局として関わっていますが、「本当に形になっちゃったよ!」というのが正直なところです。

山本 地域貢献でもあるでしょうし、食品物流とのつながりでもあるでしょうし、社内の方々がそういうことを考えているから出てくることなのでしょうね。これも共感してくれる人材への訴求ポイントですよね。アサヒロジスティクスさんの、会社の成長と個人の仕事のやりがいがしっかり紐づいていらっしゃるところに、感銘を受けました。

【勉強会のお誘い】
山本 井上さん、ぜひ、そんな話をうち(コクヨロジテム)の社員たちにも聞かせてもらえませんか?アサヒロジスティクスさんの取り組みは先進的で、ユニークで、学びが多いです。同じ物流業界において他社の人たちがどんな意義や課題感のもとで働いていらっしゃるのか、そういうマインドが2024年問題に表出しているような課題への取り組みにもつながっているのか、ぜひとも刺激をいただきたいです!

井上 えっ?!う~ん、参考になるかはわかりませんが、機会をいただけるなら、お話させていただくことはできますよ。

山本 ありがとうございます!今回の座談会の依頼もそうなのですが、興味を持ったり、共感したり、話をもっとききたい、と思うと、すぐに行動しちゃう良い癖をもっていまして(笑)。では早速段取りしちゃいますので、よろしくお願いします。

【自社の魅力】
「あなたの会社の魅力はなんですか?」こう聞いて答えられる方がどれだけあなたの会社、組織にいらっしゃるでしょうか? 
物流業界全体が、労働力不足にも起因しながら、多様な人材を市場から獲得していく必要に迫られているということを前回のコラムで書きました。そういう多様な人材を獲得していくために、訴求できる自社の魅力は何でしょうか?

ご紹介しているアサヒロジスティクスさんの場合は、「社会への貢献やつながり」、前回のコラムの内容でいくと、「女性ドライバーが働きやすい環境」や「同期のつながり」などです。コクヨロジテムの場合は、採用したいターゲット層に合わせて、自社の魅力の中から何を打ち出すのかを決めて訴求しています。

ただ、最初からこんなことができる状態ではありませんでした。3年前に私がキャリア入社した当時、多くの人に「うちの魅力って何だと思いますか?」と質問してみたのですが、答えられたのはほんの一握りの人だけで、本当に危機感を覚えました。

そのときから今日まで、組織ごとや階層ごとなどで、会社の魅力、仕事の魅力など、みんなで考える場を持ち続けています。社員が自社の魅力について認識できている、言語化できている、言葉で表現できなくてもポジティブな空気を他者に感じさせられている、そういう状態であって初めて、社外の人にも魅力は伝わるものです。もう少し言えば、社員たちそれぞれが考える自社の魅力は多様であってよくて、それを許容できる会社であってこそ、多様な人材を受け入れることもできるのです。

さぁ、あなたの会社の魅力探しを始めましょう!どうやって始めたらよいかわからないという企業の方、お声かけください、一緒に考えていきましょう。

2回に渡ったアサヒロジスティクス井上さんとの対談はこれにて終了です。次回は、最後にオファーしてしまいました、アサヒロジスティクス×コクヨロジテムの勉強会の模様をお伝えしますので、お楽しみに


>>次回 効率化より大事?!なES(従業員満足)