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「ロジスティクス強調月間2024」サポーターからの提案―株式会社タイガー

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手回し計算器からクラウドシステムへ 長年にわたる経験を活かし、運送事業者のDXに貢献

株式会社タイガーは、運輸・物流企業向けに特化したソフトウェアの開発・販売を行っています。また、運輸・物流企業に必須のツールであるデジタルタコグラフ、ドライブレコーダー、アルコール測定器、IT点呼機器など、さまざまなソリューションも幅広く提供する物流ソリューションのエキスパートです。物流の2024年問題に対するDXの重要性や取り組みなどについて、寄稿いただきました。

株式会社タイガー企業ロゴ

株式会社タイガー
1940年設立。長年、運送事業者向けビジネスを展開してきた豊富な経験を背景に、40年以上の開発・販売を続けるトラックメイトシリーズをはじめ、運輸・運送業界に特化した多数のシステムやソフトウェアを提供している。

歴史と設立背景

株式会社タイガー(以下、タイガー)の起源は戦前にさかのぼり、当時革新的であった手廻し計算器の開発・販売に始まります。この製品の販売部門が独立して設立されたタイガー計算器販売株式会社が、現在のタイガーの前身となります。

戦後の日本経済の急速な成長期において、タイガーは時代のニーズに合わせて事業を展開してきました。手廻し計算器の販売を終了したのち、オフィス用品の販売へと軸足を移しました。この転換期に、タイガーは運送事業者との接点を持つことになり、それが現在の主力事業の礎となっています。

物流事業者向けシステムの開発

1975年、タイガーは物流事業者向けのシステム開発・提供に着手しました。オフィス用品の販売を通じて知り合った運送事業者が抱える様々な課題や悩みを聞く中で、タイガーは物流業界に特化したソリューションの必要性を強く認識したのがきっかけでした。

特に、多くの運送事業者が手書きの管理簿に頭を悩ませていた事実は、タイガーにとって重要な気づきとなりました。この課題に対応するために開発されたのが「トラックメイトシリーズ」の第一号製品です。この製品は、タイガーが運送事業者向けビジネスに本格的に参入するきっかけとなった画期的なソリューションでした。

クラウド技術の先駆者として

2006年3月にリリースした「トラックメイトPro/ASP」は運送業界初となるクラウドタイプの販売管理システムであり、業界に大きな変革をもたらしました。トラックメイトシリーズ発売当時から使用していた「心に描くもの、想像するもの」というキャッチコピーに込められた思いは、単なる言葉ではなく、新しいものを運送業界に提供するということを常に心掛けているが故のものです。

このシステムの開発は、タイガーが常に顧客のニーズを先取りし、最新技術を積極的に採用する姿勢を示しています。クラウド技術の採用により、運送事業者は場所や時間の制約を受けずにリアルタイムで情報を共有・管理できるようになり、業務効率の大幅な向上を実現しました。

運送事業者のDXへの貢献

運送業の2024年問題への対応として、タイガーはDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性を強く訴えています。2024年問題は、運送業界全体に大きな影響を与える可能性があり、タイガーはその解決に向けて積極的に取り組んでいます。

タイガーのアプローチの特徴は、事業者の業態・規模、抱えている具体的な課題に応じて、最適な製品を提案することです。さらに、政府の補助金制度などの活用方法も含め、包括的に導入から実運用までをサポートしています。

特筆すべきは、タイガーのDX支援が単なる技術導入に留まらない点です。長年にわたり運送事業者を支援してきた経験を活かし、経営者から管理者、事務員、ドライバーに至るまで、運送事業者で働く全ての人々がDXに取り組めるよう、様々な製品とそれに合ったきめ細かな支援をしています。

株式会社タイガー提供サービス
様々な所で活躍する「タイガー取扱製品・タイガーが展開するサービス」

タイガーが選ばれる理由

タイガーの製品とサービスが業界で高く評価される理由は、その品質と継続的なサポート体制にあります。クラウドタイプの「トラックメイトPro/ASP」は、4年継続率が90%を超えるという驚異的な数字を誇っています。さらに、10年以上継続して利用しているユーザーも多数存在し、その長期的な信頼関係は業界内でも特筆すべきものです。

この高い継続率の背景には、タイガーの「販売後こそが本当の始まり」という姿勢があります。製品の販売で終わるのではなく、導入後の運用サポート、PCの操作指導、日々の業務で発生する様々な課題解決など、多岐にわたるサポートを提供しています。この包括的なアプローチにより、顧客との間に強固な信頼関係を築いています。

導入事例

改善基準告示の改正に伴い、タイガーの取引先のある運送事業者様では手動による労働時間の記録と計算に頼っていたため、数々の問題に直面していました。人的ミスが発生しやすい環境にあり、正確な労働時間の把握を困難にしていました。

また、この管理方法では多大な時間と労力を要し、管理コストを押し上げる要因となっていました。担当者は日々の記録確認や集計作業に追われ、本来注力すべき業務に時間を割くことができずにいました。

さらに改善基準告示に基づく適正な労働時間の把握も大きな課題でした。運送業界特有の変則的な勤務形態や、長時間労働の問題に対応するためには、より精密な労働時間管理が求められます。しかし、手動での管理では十分に行うことが難しい状況でした。

これらの問題を抱えているため、監査対応にも不安を抱えていました。適切な記録が保管されているか、法令遵守の証明ができるかといった点で、現行の管理体制では十分な対応ができないのではないかという懸念がありました。

この状況を改善するために、タイガーからまず既存のデジタルタコグラフの活用方法の見直しを提案しました。すでに導入していたデジタコのデータを効果的に活用することで、運行データの正確な記録が可能になりました。

次に、遠隔点呼システムを新たに導入しました。これにより、点呼業務の効率化と運行管理者の拘束時間の負担を減らすことに成功し、記録の正確性が向上しました。

さらにデジタコ、遠隔点呼システムと連携可能な労務管理ソフトウェアを導入し運用することで、データの一元管理と自動連携を実現しました。この連携により、運行データ、点呼記録、労働時間データが自動的に統合され、正確な労務管理が可能となりました。

これらのシステム連携により、労務管理にかかる時間とコストを大幅に削減しました。人的ミスのリスクが減少し、法令遵守も容易になりました。また、リアルタイムに近いデータを把握できるようになったことで、労働時間の適正管理や過労防止にも効果を発揮しています。

さらに、従業員の労働環境が改善されたことで、働きやすい職場としての評価も高まり、結果として企業全体の生産性も向上しています。同時に監査対応への不安も解消されました。

タイガーは、システムの運用や連携提案を通じて、中小運送事業者が直面する課題に対する効果的な解決策の一端を担っています。自社・他社問わず幅広い運送業向けの製品を扱い、それらの特長を理解しているからこそ出来た提案と言えます。既存のシステムと新規システムの連携を促進し、労務管理の強化と業務効率の向上を支援することで、運送業界全体の発展に貢献することを目指しています。

今後の展望

タイガーは、これまでの成功に満足することなく、常に新たな挑戦を続けています。今後は、AIやIoTなどの最新技術を積極的に取り入れ、運送業界のさらなる効率化と高度化を目指しています。

タイガーは、これからも運送業界の発展に貢献し続けることを約束します。顧客との対話を大切にし、常に業界の最前線に立ち続けることで、タイガーは運送事業者にとってなくてはならないパートナーであり続けます。

(2024/10/21掲載)

本寄稿は機関誌「ロジスティクスシステム」2024年秋号(10/28発行)に掲載予定です。

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