会員の声

現場力×テクノロジーで挑む、次世代ロジスティクス

サードパーティ・ロジスティクス(3PL)やフォワーディング事業で国内外から高い評価を得ているロジスティード株式会社。同社は、長年現場で培ってきた高度なノウハウと、最新のテクノロジーを掛け合わせることで、サプライチェーン全体の最適化と業界の課題解決を強力に推進しています。

今回は、DXソリューション開発本部 サプライチェーンイノベーション部 部長補佐の篠原氏にインタビューを実施。物流改善事例大会で高く評価された安全運行管理ソリューション「SSCV-Safety」の開発秘話や、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の活動を通じて得られたネットワーク、そして物流業界の未来に向けた「協創」の重要性についてお話を伺いました。

ロジスティード株式会社
DXソリューション開発本部 サプライチェーンイノベーション部 部長補佐 篠原 雄飛
業種
物流業
入会
2003年入会
ロジスティード株式会社 篠原 雄飛 氏

※所属・役職は取材当時のものです。

ロジスティード株式会社

サードパーティ・ロジスティクス(3PL)のリーディングカンパニーとして、国内外で広範な物流サービスを展開。現場で培われた高度な運営ノウハウと、DX・ITを駆使した最新のテクノロジーを融合させ、サプライチェーン全体の最適化を実現している。

現場の知見と自社開発システムが生み出す、独自のソリューション

──本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。まずは、ロジスティードが顧客から選ばれ続ける理由や、御社ならではの強みについて教えてください。

弊社の強みは、何と言っても長年にわたり実際に物流現場を運営し、日々改善活動を行ってきた「現場力」にあると考えています。そして、その現場力にテクノロジーを応用し、様々なDXを実現している点が、お客様から高く評価されている理由だと思います。

グループ内にはSEやDX人材が多数在籍しており、システムの自社開発やサプライチェーンの最適化をワンストップで行える体制が整っています。現場のリアルな課題を肌で感じているからこそ、それに直結したシステムを開発し、運用に乗せることができる。この「現場」と「テクノロジー」の両輪が、弊社の大きな強みです。

「現場の知見と自社開発システムが生み出す、独自のソリューション」について語るロジスティード株式会社  篠原 雄飛 氏

健康起因事故を防ぐ。産官学連携で挑んだ「SSCV-Safety」の開発

──御社の現場力とテクノロジーの融合を象徴するソリューションが、今回様々な場で高く評価されている「SSCV-Safety」だと思います。こちらの開発に至った背景を教えてください。

開発のきっかけは、過去に健康起因による事故を発生させてしまったことが理由になります。再発防止策として、ドライバーの健康起因事故を防ぐための様々な機器や既存のソリューションを試行錯誤しました。しかし、根本的な解決に至るような効果はなかなか得られなかったのです。

「世の中に存在しないのであれば、自ら研究し開発するしかない」ーそうした必要に迫られたことが、本格的な開発のスタートでした。

──そこから大学の先生方との共同研究に繋がっていったのですね。

はい。様々な改善策を模索して悩んでいた際、疲労を可視化する機器の技術サポートをされていた関西市立大学の先生と繋がるご縁がありました。「ドライバーの疲労と運転ミスの間には相関関係が認められる可能性があるものの,それに関する学術的な研究はまだ行われたことがない。」として共同研究のお声がけをいただいたのです。そこから、日立製作所、理化学研究所などのステークホルダーの方々と共に、産官学連携での研究開発が始まりました。

──研究開発の成果は、現場のドライバーさんや安全管理にどのような変化をもたらしましたか?

一番大きな成果は、事故件数そのものが大幅に減少したことです。具体的な数字で言えば、導入前後で比較して対象となる事故が71%減少するという明確な効果が現れました。

また、副次的な効果として、ドライバー自身の健康意識が大きく向上したことも挙げられます。客観的なデータに基づく指導が可能になったことで、管理者側も適切な評価ができるようになり、現場の安全文化そのものが一段階上のレベルへと引き上げられたと感じています。

「健康起因事故を防ぐ。産官学連携で挑んだ「SSCV-Safety」の開発」について語るロジスティード株式会社  篠原 雄飛 氏

「ひたむきな現場への落とし込み」が評価された改善事例大会

──その取り組みが、JILSの全日本物流改善事例大会において最高位の評価を受けられました。ご自身ではどのような点が評価されたと分析されていますか?

各社の皆様が非常に素晴らしい発表をされている中で、一番に選んでいただけたことは率直にとても嬉しく思っています。

審査員の方々からの講評では、「課題に対して研究から開発へと繋げ、最終的に実際の現場への落とし込みまでひたむきにやりきったこと」を高く評価していただきました。単なるシステムの開発に留まらず、現場を動かし、具体的な成果に結びつけたプロセスそのものを認めていただけたのだと感じています。

──大会では他社様の事例発表も聞かれたかと思いますが、そこから得られた学びや刺激はありましたか?

非常に勉強になりました。特に印象的だったのは、物流会社が単独で改善を行うのではなく、荷主企業様と一緒になって課題解決に取り組んでいる事例が多かったことです。自社内だけで完結するのではなく、枠を超えた「広がりを持った改善」の姿勢は、私たちも大いに参考にすべきだと感じました。具体的な手法をそのまま取り入れるというよりも、そうした改善への向き合い方やマインドセットを、社内のメンバーにも共有しています。

「「ひたむきな現場への落とし込み」が評価された改善事例大会」について語るロジスティード株式会社  篠原 雄飛 氏

600名の前での発表と、広がる「協創」のネットワーク

──御社がJILSの会員として感じているメリットや印象に残っている出来事を教えてください。

物流業界において、JILSの表彰制度は非常に権威があり、そこでご評価いただけたことは大変ありがたいことだと思っています。

また、受賞後にオンラインで開催された事例の共有会では、600名以上もの視聴者が集まる中で私たちの改善事例を発表する機会をいただきました。これほど多くの方に向けて自社の取り組みを発信できる場はなかなかありません。JILSというコミュニティが持つ発信力とネットワークの広さを強く実感しました。

──発表後の反響はいかがでしたか?ビジネスの繋がりなどに発展したケースはあるのでしょうか。

発表をきっかけに、「素晴らしい取り組みですね」「うちでもその仕組みを使えないか」といったお声をたくさんいただきました。実際にご検討いただいている企業様もいらっしゃいます。

また、改善事例大会などのリアルな場で多くの方と名刺交換をさせていただく中で、実際にお仕事の依頼に繋がったり、新たなソリューションのアイデアについて意見交換ができたりと、具体的なビジネスや「協創」のきっかけが生まれる場になっています。

──情報収集の面ではいかがでしょうか。JILSのセミナーなどをどのように活用されていますか?

JILSのセミナーは、法律の改正や「CLO(物流統括管理者)」の設置など、常に時代のトレンドに合ったテーマをタイムリーに開催してくださるので非常に助かっています。業界動向を的確に把握できるので、社内でも積極的に共有し活用しています。

個人的に印象に残っているのは、大学生によるサプライチェーン研究の発表セミナーに参加したことです。データ分析やDXに注力する立場として大変刺激を受けました。将来、物流業界や弊社を選択肢の一つとしていただき、共に働ける機会があれば嬉しいですね。

「600名の前での発表と、広がる「協創」のネットワーク」について語るロジスティード株式会社  篠原 雄飛 氏

スピード感を持って社会課題に対応し、物流の未来を拓く

──2024年問題や新しいテクノロジーの台頭など、物流業界は今、激しい変化の波の中にあります。そうした中で、御社はどのようにスピード感を持って対応されているのでしょうか。

2024年問題のように、法改正などで対応期限が明確に決まっている課題に対しては、すべてを自社でゼロから開発していては間に合わないケースもあります。そのような時は、必要な技術やサービスを提供している他社様と連携し、一緒に取り組むことでスピード感を持った対応を心掛けています。自社でやりきれない部分は、外部と柔軟に連携する。この判断のスピードも重要だと考えています。

──最後に、今後挑戦してみたいことや、JILSへの入会を検討されている企業様へのメッセージをお願いします。

今回の「SSCV-Safety」の導入で終わりではなく、改善は継続していくものだと考えています。現在は、国交省の自動点呼の解禁に合わせた自動点呼の開発や、「SSCV-Safety」の一部機能を派生・独立させ運転中の体調変化を可視化するソリューションの開発などに挑戦しています。これらの機能も、いずれ会員の皆様と共有し、業界全体の課題解決に役立てられればと思います。

物流業界の課題は一社では解決できません。荷主様を含む多様な関係者の連携が不可欠です。JILSには、物流に関わるあらゆるプレイヤーが集まっています。他社と繋がり、協創を通じて課題解決を目指す企業にとって、大きな価値のあるプラットフォームだと感じています。私たちも、テクノロジーと現場力で物流の未来に貢献し続けてまいります。

まとめ

今回のインタビューを通じて、ロジスティードが持つ強固な「現場力」と、それを支える「テクノロジー」の融合が、実践的で力強いソリューションを生み出していることが伝わりました。特に「SSCV-Safety」の開発に見られる誠実な姿勢と産官学連携の取り組みは、多くの物流企業にとって示唆に富むものだと感じます。

また、業界の複雑な課題には一社だけでなく、JILSのような多様なプレイヤーが集う場での「協創」が不可欠であるというお話も印象的でした。次世代ロジスティクスに向け、社会課題に挑み続ける同社のさらなる発展に期待が高まります。

取材は2026年2月26日に行われました。

2026.03.23 物流業