「学び直し」「アップデート」で視座を高める、多様な「仲間」との貴重な出会いに感謝
国際物流業務に携わるアサヒロジ株式会社の宗像雄司氏に、「国際物流管理士資格認定講座」内容や受講のメリット、その後のキャリアへの活用方法などについてお話を伺いました。
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アサヒロジ株式会社
通関部 担当部長 兼 東京通関事務所 所長 宗像 雄司
国際物流管理士資格認定講座
第44期(2021年9月~2022年3月)受講
※所属・役職は取材当時のものです。
アサヒロジ株式会社
酒類・飲料・食品を中心としたサプライチェーンにおけるロジスティクスシステムを提供すべく、アサヒグループの5つの物流会社が合併して2006年1月にスタート。それぞれの物流会社が長年にわたって築いてきたロジスティクスのノウハウを活かし、全国輸配送、倉庫・保管、流通加工、3PL事業、国際物流通関、セールスプロモーションの各事業を精力的に展開。高品質な物流提案と確かな運用でお客様の業績に貢献している。
受講実績ある上司の勧めで決意。グループワークもメリット大
――「国際物流管理士資格認定講座」受講のきっかけは?
直属の上司が過去に同講座を受講し、講座内容が大変参考になったこと、そこで育まれた受講者間のネットワークがその後も続く貴重なものになったこと、自身のステップアップになることなど、強く勧められたのが受講のきっかけです。
――どのような点に魅力を感じて受講を決めたのですか。
受講当時に私が所属していた「事業統括本部 通関事業部」では、主にアサヒグループ各社が輸出入する原料や製品等の通関、これに付随する国内外輸送手配、海外との貿易事務代行業務、さらにグループ外のお客様を対象とした一般外販など、幅広い業務を取り扱っていました。グループ内の輸出入すべてに関わる部署であり、物のスムーズな移動のために日々対応する必要があるため、その役割は非常に重要です。
そうした中で、求められる知識や情報、対応力は、複雑かつ高度化していたため、アップデートは重要な課題と考えていました。日頃から業務を通じ、国際物流の様々な情報を取り込んではいましたが、関わりのない地域や案件の知識を身につけるのは容易ではありません。また、業務の大部分はグループ内の案件のため、アルコールや飲料、食品製品などに知識が偏っていることも課題と感じていました。
正直なところ、通常業務と並行しての受講や、会社に受講料を負担してもらうこと、さらに当時はコロナ禍だったこともあり、やや気後れしていた部分があったのも事実です。しかし、今後グループとして新たな取り組みを行っていくためにも、国際物流全般についての「基礎の学び直し」と、昨今のトレンドも含めた「知識のアップデート」により、国際物流に対する理解をより体系的に深めたいと考え、受講を決めました。

――実際に講座を受講してみていかがでしたか。
カリキュラムは分野ごとに基礎的な内容で構成され、講師の先生方が昨今のトレンドや現地事情などを織り交ぜながら説明してくださるので、わかりやすかったですね。グローバルサプライチェーンの構築やそのリスクなどについて、単元を進めていくことで知識が総合化され、理解を深めることができました。
座学だけでなく、受講者が数人ずつに分かれてテーマに沿った課題に取り組む「グループワーク」が多いのも良かった点の一つです。様々な企業の第一線で活躍されている、バックグラウンドも世代も異なる方たちとのディスカッションは、ダイナミックで貴重な体験でした。特に、最後の単元で取り組んだ「グローバルロジスティクス改革」では、課題抽出から改善策までゼロから作り上げる必要があり、多様な考えをまとめるのは大変でした。しかし、自社の業務で得られる知見の枠を越えた、他者の経験や知識から学ぶことが多くあり、「自社の業務に置き換えた際、必要になるのはどのようなことだろう?」など、具体的なイメージが湧くようにもなったと感じています。
受講者の皆さんとの出会いも貴重なものとなりました。業務でお会いした方と親しくなることはなかなかないですから、業種や世代の垣根を越えて意見交換ができるのはありがたいですね。皆さんの学ぶ姿を見て「自分も頑張らなくては」と発奮材料にもなりました。コロナ禍ですべてのプログラムがオンラインでしたが、受講後に直接お会いする機会があった際には、対面が初めてとは思えない距離感で交流でき、一緒に学んだ「仲間」であると感じられたのも嬉しかったです。

知識がつながり深い理解へ。レポート作成も楽しい時間に
――特に印象に残っている内容はどのようなことでしょう。
例えば「建値」について、受講以前は当然ながら当社の業務である「物を動かす」立場から考えていたわけです。それが受講によって、取引を行う立場から見た「建値」の考えも知ることができました。他に、売買契約や決済方法、為替、海上保険などもそうです。国際物流業務に長年携わる中で、ある程度のことは理解しているつもりでしたが、知っていると思っていた事柄でも、改めて学ぶことで少しずつ自分の中の知識や経験とつながっていくというのでしょうか。学びが深まっていく感覚があり、「まだまだ学ぶべきことが多い」と実感しました。
その他にも、海外の最新物流事情は私にとって価値ある学びでした。特に、アジア諸国の「コールドチェーン」の話は印象に残っています。当社も飲料や食品を扱いますから、「港に届けた後、その先の冷蔵輸送をどうするか」まで考える必要がありますが、どのような事情があるかという前提知識をあらかじめ持っていれば、今後その地域で新たな取り組みを行う際に考慮するべき事柄も見えてくるでしょう。講座での学びにより、荷物を運んだ「その先」まで見据える視点の重要性を再認識しました。
国際物流と社会情勢のつながりについても、あらためて考えるきっかけとなりました。例えば、中東情勢の影響でスエズ運河を船が通行できない状況が発生すれば、船は南アフリカの喜望峰を回ってくるため、それだけ航海日数が長くなり、生産や出荷のリードタイムが変わるなど、次々と影響が及んでいきます。そうした影響を予測し、発生した課題に対処するには、国際物流の仕組みや関係性を総合的に理解していることが不可欠です。その点でも、この講座で学んだ内容は大いに役に立つと感じています。
――他に受講して良かったことはありましたか。
単元ごとにA4用紙で数枚のレポートを作成・提出するのですが、これによって一段と理解を深めることができ、私にとっては大切な時間になりました。週末などに集中して、講座でインプットした知識を整理したり、追加で何かを調べたりしながらレポートとしてアウトプットする作業は、自分の中で学んだことがまとまっていく感覚があり、大変でしたが楽しさや喜びも感じられました。
また、ありがたいことに、第44期の総代に選んでいただきました。前期の代表として第45期の講座初回に登壇し、体験談やアドバイスなどをお話させていただいたことも、いい思い出になっています。

社会人にとって学びは貴重。受講を活かし新たな取り組みへ
――現在はどのようなお仕事をされているのでしょうか。
グループ各社の輸出入の拡大に併せて、部署で取り扱う分野、件数ともに拡大しており、名称も「事業統括本部 通関事業部」から「通関部」となりました。さらに、グループ内での輸出ビジネスの立ち上げや、これまで経験のなかった分野への進出など、新たに開始する案件へ初期段階から参画し、ご相談やご提案をさせていただく機会も増えています。グループ内での重要性が一段と高まっている状況ですので、講座で学んだことをベースに、自分にできることがまだあるのではないか、アイデアを提案するなどして還元できることがあるのではないか、と日々考えながら模索しています。
――受講を検討している方へアドバイスがあればお聞かせください。
私もそうでしたが、社会に出ると学び直しの機会というのは案外少ないものです。その点この講座は、国際物流に関する幅広い内容を総合的に学べる貴重な機会といえるでしょう。これから国際物流に携わる方はもちろん、一定の経験がある方、荷主の方、物流会社の方など、どのような方が受講されても必ず知らない領域があり、吸収できることがあるはずです。また、そうした様々な立場や世代の方と一緒に受講することで、学びの質が高まるメリットもあります。グループワークでの討議にも積極的に参加すれば、自分たちでますます学びの質を上げていくことができると思いますので、ぜひ受講されることをおすすめします。
――最後に、宗像様が考える「国際物流業務の面白さ」をお聞かせください。
輸入は私たちの生活に密接に関係しています。輸入された商品や原料、半製品、輸入された工具や機械を使ってつくられた製品など、輸入貨物なくして生活は成り立ちません。私は普段、スーパーに行くと、つい商品のラベルを見て、どこの国から来たのか、どのように運ばれてきたのか確認してしまうのですが、その物が私たちの手元に届くまでには、必ずロジスティクスやサプライチェーンの力があるのです。そうした部分に、日々携わっているところは面白いですよね。また、アサヒグループの輸出入に関わることで、私たちの製品が日本や世界のお客様にご評価をいただける、その一翼をわずかながら担っていることも誇りに思っています。
今後も「国際物流管理士資格認定講座」で学んだことを活かしながら研鑽と経験を積み重ね、業務の中でアウトプットしていける「国際物流のプロフェッショナル」を目指していきます。

※取材は2026年3月9日に行われました。