2025.05.13
2024年問題
「時間外労働960時間規制に対するトラックドライバーの意識調査 」調査結果の公表
公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)では、働き方改革関連法により2024年4月1日以降、自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限規制が適用されることで生じる諸問題、いわゆる「2024年問題」に関連して、時間外労働960時間規制(※)に関するトラックドライバーの意識調査を実施いたしました。
本調査は、2024年4月1日のトラックドライバーの時間外労働960時間規施行後におけるトラックドライバーの労働環境への意識や影響について理解すること目的としています。このたび、調査結果を公表しました。
時間外労働960時間規制に対するトラックドライバーの意識調査アンケート結果
調査結果の概要
- 時間外労働時間の上限年間960時間について、78%のドライバーが認識している一方、22%のドライバーが認識していないと回答した。
- 時間外労働時間の上限年間960時間を12か月で割ると1月あたりの上限は80時間となる。 本アンケートでは、回答者の27%が80時間以上の時間外労働を行っている。
- 規制に対する不安は、年齢、性別、ドライバー歴、残業時間などによって異なるが、特に
「収入減少」や「業務の忙しさ」に対する不安が多い。一方で、全体の31%は「不安はない」と回答した。 - 規制に対する期待は、年齢、性別、ドライバー歴、残業時間などによって異なるが、特に
「労働環境の改善」と「余暇の時間の増加」に対する期待が多くの層で共通していることが示された。一方で、全体の27%は「期待はない」と回答した。 - 全体として、規制は否定的に受け取られている傾向があるが、「滞在時間の削減」には良い影響が期待されている。
- この規制がトラック業界に長期的に及ぼす影響を評価するために、さらなる縦断的研究が必要だと考える。
調査の実施概要
- 目的
トラックドライバーの時間外労働960時間規制施行後の、トラックドライバーの「労働環境への影響」を調べ、情報を共有する。
2024年3月に実施した「時間外労働960時間規制に対するトラックドライバーの意識調査」と比較することにより、時間外労働960時間規制の施行前後で、トラックドライバーの「期待」と「不安」に対する回答結果の変化を調査、共有する。
- 調査期間
2025年2月17日(月)~3月9日(日)
- 調査方法
アンケート票への記入(無記名)
- 調査対象
関西圏運送事業者3社のトラックドライバー
- 回答者数
62名