地方の社員数30人の運送会社に全国から若者の応募がある理由─物流企業のHRM推進研究会9月会合報告
本研究会は、物流企業の経営管理、総務・人事部門の担当者が月例で集まる会合です。物流の課題解決に貢献するHRM(人的資源管理)の施策検討と共有を目的としています。
第3回会合を 9月17日(木)に実施しました。
前半では以下8つのテーマからメンバーそれぞれが取り組みたいテーマを選択し5グループに分かれてディスカッションを行いました。(7月会合に続き、今回が2回目)
後半では、「地方の社員数30人の運送会社に全国から若者の応募がある理由」と題して、株式会社カワキタエクスプレス代表取締役の川北辰実氏にご講演いただき、講演内容についてグループディスカッションを実施しました。
| テーマ1 | 目指す人材像の具体化、浸透、実現 |
| テーマ2 | 優先度の高い人材確保に向けた採用・配置 |
| テーマ3 | 事業課題を解決するための人材育成 |
| テーマ4 | 人事評価制度(目標設定、評価、フィードバック)の運用 |
| テーマ5 | 従業員の働きがいやエンゲージメントの向上、離職の低減 |
| テーマ6 | 従業員のキャリア開発 |
| テーマ7 | 多様な人材(女性、高齢者、外国人、障がい者等)の活躍 |
| テーマ8 | 創業理念、経営理念の浸透 |
前半グループディスカッション取り組みテーマについて
・優先度の高い人材確保に向けた採用・配置
・事業課題を解決するための人材育成
・人事評価制度(目標設定、評価、フィードバック)の運用
・従業員の働きがいやエンゲージメントの向上、離職の低減
・創業理念、経営理念の浸透
以上の5テーマについてグループに分かれ、自社課題や取り組み内容の共有を中心にディスカッションしました。
今回のグループ討議結果の主な内容は以下でした。
【優先度の高い人材確保に向けた採用・配置】
人員確保が前提であり、経験者の採用は難しい。
面談の実施内容について、今までは課題を聞いていたが、数年先の姿やイメージを聞くようにしたことで、退職率が低下した。
【事業課題を解決するための人材育成】
各社での研修内容やKPI設定の有無などを確認した。
【人事評価制度(目標設定、評価、フィードバック)の運用】
資料共有を実施。次回「理想的な仕組みとは」について意見をまとめる。
【従業員の働きがいやエンゲージメントの向上、離職の低減】
エンゲージメントサーベイをどのように活用するのかについて討議を行った。
次回は離職率低減についてディスカッションを行う。
参加者のコメント
・研修のKPIをとることで、研修参加者のモチベーションが上がる旨の話を聞けた。また、監督職が成長して管理職を追い抜いてしまうと問題になる可能性があることを聞けた。また、どこの会社も現場レベルのアップと同じ事故が繰り返し発生している旨が聞けた。
・質の高い人材確保は難しいと感じました。様々な課題はあるかと思いますが、まずは採用数を確保し、定着率を向上させ、質の高い人材を育成することが大事だと思いました。
後半講演内容とグループディスカッション
「地方の社員数30人の運送会社に全国から若者の応募がある理由」株式会社カワキタエクスプレス
代表取締役川北辰実氏講演のポイント
・採用ターゲットを明確にする
高校・大学の新卒者、10代・20代の業界未経験者に対象を絞り、採用活動と職場環境を設計しています。
・SNSを求人広告ではなく、ファンづくりの場として活用する
求人条件だけでなく、会社の日常や社員の人柄、仕事のやりがいを発信し、採用前から会社への理解と共感を育んでいます。
・世代に応じて情報発信の媒体を使い分ける
10代から20代前半にはTikTok、20代後半から30代前半にはInstagram、40代以上にはGoogleやYahooを意識するなど、対象世代に合わせた発信を行っています。
・採用と組織づくりを一体で考える
人材を集めるだけでなく、価値観の共有、職場のルール、安全意識、人間関係、成長機会を重視し、若手が働き続けたいと思える会社づくりを進めています。
・物流の仕事をサービス業として捉える
ドライバーにも顧客対応や荷物の扱いなど総合的な力が求められるため、運転技術だけでなく、顧客に喜ばれる価値を提供する「人間力」を重視しています。
参加者のコメント
・採用については担当領域外ではあるが、時流を見ていち早く施策をうつスピード感や、「明確なターゲティング」→「ターゲット層が集まるチャネルの特定」→「ターゲット層が求める情報」などを的確に分析されている部分は人事分野の採用外の領域でも活かせると感じた。同時に、いかにトップやマネジメントクラスが熱量をもって施策に取り組むかが、成果に直結するのだなと感じ、マネジメント層の底上げが必要と感じた。
・未経験者(10~20代)をターゲットに採用を進められている点が参考になりました。未経験者の方が中途採用者よりも会社の理念に共感してもらえる事が多いとの事でしたが、講演を聞いて納得できました。
物流企業のHRM推進研究会について
本研究会はHRMの実践方策や産業界におけるロジスティクス・物流分野の課題解決に貢献するための情報共有・施策の検討および人的ネットワークの形成支援を目的としています。年度の途中からのご参加もお待ちしておりますので、是非ご検討ください!
物流企業のHRM推進研究会の詳細は以下よりご確認いただけます。
物流企業のHRM推進研究会ホームページ
担当:中川綾子