2025.10.08
ロジ研
物流ロボットやデータ連携の研究/建設機械のサプライチェーン最適化─ロジスティクス研究会8月会合報告
ロジスティクス研究会では2025年度第4回会合を 8月19日(火)に実施しました。会合では研究会メンバーの取り組みについてご発表をいただき、発表内容についてディスカッションを実施しました。
発表①:物流ロボットの効果的な活用方法とデータ連携の研究
発表企業
(株) コマースロボティクス
発表のポイント
- 物流ロボットの国内市場
日本の労働力人口(15~64歳)の減少への対応策として、倉庫・配送ロボットの活用、効率化支援技術の普及が期待される。 - 中国で物流ロボットが急速に普及した理由とは?
EC市場の爆発的成⾧、政府の政策支援と「製造強国」戦略、EVバブル同様のロボット投資環境活発化などが考えられる。 - ロボット導入を検討できる条件
スタッフの採用が難しくなった、現場人件費の上昇が激しい、政府の導入助成金が受けられる 等 - ロボット導入検討時に考えるべきこと
物流課題の明確化、ロボットサプライヤーの比較、導入スコープの検討、WMS・WES・基幹システムとの連携確認、ROI試算・投資判断、導入効果のモニタリング・改善 等
参加者のコメント
- 『今後人口が減っていく中で、ロボットに作業を代替させていくのは必然になることを実感しました。一方、それなりの設備投資もかかることから、資本力のある大企業は比較的導入のハードルが低いと思われるが、中小企業にとってはハードルが高いとも感じました。』
- 『国内における物流施設の問題(天井高やロケーション等)を知ることが出来てよかったほか、助成金や補助金の適用範囲が少ない為に省力化に歯止めがかかっていることに問題を感じました。』
発表②:サプライチェーン最適化の取り組みと課題
発表企業
日立建機ロジテック(株)
発表のポイント
- •建設機械におけるサプライチェーン最適化の難しさ
サプライチェーンがグローバルに展開され、製品によりサイズや寸法が多岐にわたるという製品特性に対応する必要がある。 - CX(カスタマーエクスペリエンス)向上への取り組み
プロフィット部門の組織変革、物流機能別組織から顧客・製品別のサプライチェーン一貫の業務体系への転換を推進。 - サプライチェーン最適化に向けた取り組み
・調達・出荷におけるトラックの大型化、ミルクラン拡大、中継輸送の導入
・輸出における出荷~船積みのワンオペレーション化
・発送における分解方法の見直し、コンテナ船活用によるリードタイム削減
・統制基盤構築とクラウドサービス導入によるトレーサビリティ向上
など
参加者のコメント
- 『どの会社様でも何かしらの課題をお持ちですが、今回は特に赤裸々にお話をいただき、とても参考になりました』
- 『並大抵ではない企業努力がなされていて、その改善改革の意識の高さと意志の強さを見せつけられました。自身の取り組みを見つめなおす良いきっかけを得たように思います。』
ロジスティクス研究会について
ロジスティクス研究会は、多様な業種・業態のメンバーが集まり、メンバー自身が抱えている課題や自社を取り巻く環境の変化への対応策等を共有する研究会です。
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