本文へスキップします。

【全】ヘッダーリンク
H1

自動車サプライチェーンの強靱化に向けた取組/経済産業省

お知らせ詳細

自動車サプライチェーンの強靱化に向けた取組/経済産業省

行政・他団体

自動車サプライチェーンの強靱化に向けた取組/経済産業省(2022年7月)

経済産業省は、車載用半導体の安定調達に向けて、2021年5月に国内自動車メーカーと共同で「車載用半導体サプライチェーン検討WG」を立ち上げ、議論を継続、特に2021年後半以降、様々なサプライチェーンリスクが顕在化していることを踏まえ、車載用半導体以外の部素材も含む自動車サプライチェーンの強靭化に向けた中間報告を取りまとめ公表てします。
https://www.meti.go.jp/press/2022/07/20220701006/20220701006-a.pdf

中間報告「自動車サプライチェーンの強靭化に向けた取組」の概要
1)車載用半導体の安定調達に向けた取組
 〇生産計画の提示方法の改善
  半導体メーカーの予見性向上を図るため、自動車メーカーからサプライヤーに提示する生産計画の改善を実施(期間の長期化、情報粒度・提
  示頻度の向上等)。
 〇半導体の製品・工程変更手続の標準化
  調達先の複線化や切替えを効率化するため、半導体の素材変更等の際に必要となる製品・工程変更手続において、自動車メーカーごとの品質  
  評価プロセスを標準化し評価期間を短縮。

2)自動車サプライチェーンの強靭化に向けた方向性
 自動車メーカーが平時からサプライチェーンリスクを分析し、コストとリスクのバランスを考慮しつつ、 柔軟かつ強固なサプライチェーンの 
 構築を目指す。この際、個社で解決できない課題については、業界横断での取組や政府のサポートを得つつ、進めていく。
 〇サプライチェーンリスク評価
  社内外のデータベース・分析ツールの活用を進めることで、サプライチェ-ンの構造把握を効率的に実施。
  一部のサプライヤーは自社の競争情報である等の理由で取引先情報を開示していないという現状を踏まえ、情報開示に理解を得られるよう平
  時から関係を強化。
  カーボンフットプリントの計算等の社会的要請を背景とした自動車産業の横断的なデータ連携基盤の構築も見据え、情報流通のあり方につい
  て検討。
 〇サプライチェーンリスク対応
  リスクの高い部素材については、代替調達先の事前評価やコスト面も考慮しつつ在庫の積み増しを検討。
  車両電子プラットフォームの高度化や、旧世代の半導体の生産撤退リスク等を考慮し、中長期的な半導体戦略を構築。
  部素材産業のカーボンニュートラル実現に向けた支援によって国内生産基盤を維持。その上で撤退が避けられない場合には、特定国への依存
  を回避する形で調達先の複線化について検討。

<目次>
1.車載用半導体サプライチェーン検討WG立上げの背景と検討状況
2.半導体供給不足に対する対応策の検討
3.サプライチェーンリスクの広がり
4.サプライチェーン強靱化に向けた方向性

以下は、レポート中で当方がリマークした部分の抜粋です。

◆成車メーカーのSCリスク評価体制の課題
 部品点数は3万点を超えるところ、メールやヒアリングによって情報収集を行っており、一つ一つの部品についてリスクを分析するのは工数
  がかかり過ぎる。
 サプライヤ数が多く、定期的にSC情報を更新する負担が大きい。

◆サプライヤからの情報提供の課題
 一部のティア1サプライヤからは、SC情報の詳細について開示してもらえないケースがある。
 さらに、情報提供が行われる場合でも、ティア1が把握しているティア2までの情報であることが多く、ティア2から更に情報提供が行われな
  い限りは、ティア3以降のSC情報は把握できない。

◆半導体に限らない平時のサプライチェーンリスク点検の必要性⇒見える化
 サプライチェーンリスクの認識は、有事の対策を講じる上での前提であり、平時からティア2以下の階層を含めてサプライチェーン全体のリ
  スク点検を行う必要がある。
 しかし、現状では客先からの通知やインシデント発生時の一斉点検等、リスクが顕在化してはじめて対応を開始し、十分な対策を取れずに減
  産に至るケースが多い。

◆将来的に発生し得るSCリスクの例(電動化の加速で生じるリスク)
・電動化が進むことにより、バッテリーメタル、パワー半導体等の部素材の需給ひっ迫が予想
 各社の電動化目標を実現するために必要な分量を安定的に確保できるかが課題。

◆サプライチェーン強靱化に向けた方向性(P18貼付)
 

◆半導体人材育成に向けた取組
TSMCとソニー、デンソーが合弁で熊本県にJASMを設立し、86億ドルを投じて、10~20nmプロセスの半導体製造を行う予定。約1,700名の 
 先端技術に通じた人材の雇用創出を見込む。
 JASMの投資を契機に、我が国半導体産業基盤の強化のため、設備投資支援のみに留まらず、人材育成・確保に向けた取り組みも推進。
まず、九州において、産官学一体の「半導体人材育成等コンソーシアム」の第一回の会合を5月に実施。
 さらに、九州地方を皮切りに、他の地域にも横展開をし、地域のニーズに合った人材育成を検討中。
 東北地方では、7月にキックオフ会合の開催を予定。他地域も、今後続いていく見込み。
さらに、産業界や個社も個別の人材育成の取組を拡大。今後、政府や教育機関に対して産業界全体として一層コミットした形で取組を強化すべ 
 く、体制の整備と大規模な対外発信を実施予定。

《雑感》
「サプライチェーン強靱化に向けた方向性」等は、不確実性が高まる中で、我が国の各産業が持続的かつ競争力ある産業として強靭化していくためにも、他製品の業界においてベンチマークするべき内容と思いました。

文責 JILS総合研究所 遠藤直也

一覧へ戻る