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2024年度「物流改善賞」が決定!

物流現場改善

日本ロジスティクスシステム協会は、6月26日に物流改善賞の受賞事例を発表しました。物流改善賞は、第38回全日本物流改善事例大会で発表された39件の優秀事例のなかで、極めて優れた取り組みに贈られます。

大会終了後、実行委員による厳正なる審査・選考を行い、2024年度の最優秀物流改善賞2件、優秀物流改善賞5件、実行委員特別賞1件が決定しました。

第38回全日本物流改善事例大会は、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会と一般社団法人日本物流資格士会の共催のもと、2024年5月14日・5月15日の2日間、東京都・千代田区・御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターにおいて、延べ307名の参加者を得て開催しました。

最優秀物流改善賞(2件)

【物流業務部門】
  • 受賞企業:花王株式会社
  • 受賞事例:運送事業者に選ばれる物流センターへの挑戦 ~倉庫運営改善による待機時間削減の実現~
  • 事例概要:自社工場の場外倉庫における待機時間削減を目指し、協力会社と共同で倉庫運営改善に取り組んだ。その結果、待機+積み込み2時間超過はゼロを達成。待機時間を減らすために多角的なアプローチを実施したことで、効果の高い改善策が明確になった。
  • 受賞企業:コマツ物流株式会社
  • 受賞事例:海上コンテナ積載率改善活動~コンテナ本数削減による海上運賃の抑制~
  • 事例概要:コロナ禍の影響で輸出用コンテナの海上運賃が急激に上昇したことを受け、出荷コンテナ本数の削減が急務となり、①梱包荷姿が段積み可能なモジュールケース(定型サイズ)の使用率向上②モジュールケースとの段積み可能治具の作成③余剰ケースの他社との合積み等改善を実施することで、出荷コンテナ本数の削減に成功した。

優秀物流改善賞(5件)

【物流業務部門】
  • 受賞企業:SBS東芝ロジスティクス株式会社
  • 受賞事例:ムリ・ムダ・ムラ取り改善による作業者の負荷軽減 ~ストレスのない作業を目指して~
  • 事例概要:当社大分ロジセンターでは、荷役作業のムダ取りや動作の統一を推進している。継続改善のためビデオで作業動作の統一確認を行う中、作業者から日頃ストレスを抱えて作業しているとの声が上がった。見る・探す・考える・待つ・屈むというストレスを取り除き、作業時間の短縮と品質向上を実現した。
  • 受賞企業:TOTO株式会社
  • 受賞事例:パレット画像認証システムの開発・導入
  • 事例概要: 物流の2024年問題を間近に控え、トラックドライバーの拘束時間削減と更なる生産性の向上が求められる中、長年、人手によるアナログ運用で作業をしていた「パレット在庫管理業務」に課題があった。そこで、「パレット画像認証システム」を他社と共同開発し、作業の DX化を実現した。
  • 受賞企業:株式会社東北ウエノ
  • 受賞事例:包装荷姿から2024年問題を解決 ~リターナブル集合包装容器で作業改善と廃棄量減~
  • 事例概要: エアーフィルター製品のエンドユーザーから「納入ゴミ廃棄問題」の課題が提示され、出荷元より相談を受けた。 ヒアリング及びコンサルティングを進めると、2024年問題を代表する「輸送便への手積み・手降ろし」をはじめ、「膨大な個装箱を開梱する手間と時間」などの課題も浮き彫りとなった。包装荷姿からの物流改善を提案することにより、これらの問題を解決することができた。
【物流管理部門】
  • 受賞企業:花王株式会社
  • 受賞事例:梱の商品配置変更支援ツールの開発とツールを用いた“ムダ”な移動距離の削減 ~サスティナブルでロジカルな現場の実現に向けて~
  • 事例概要: 梱の商品配置状況を出荷量・頻度・カテゴリーで確認できるヒートマップと、梱出荷作業における作業者の移動距離を定量的に可視化するツールを開発した。このツールを活用することで、梱の商品配置変更業務の効率化と標準化を実現した。その結果、移動距離を削減し、梱出荷作業の生産性を向上させることに成功した。
  • 受賞企業:花王株式会社/三甲リース株式会社
  • 受賞事例:目指せパレット紛失ゼロ!~パレット管理精度の向上~
  • 事例概要: 木製パレットから樹脂パレットへの切り替えにより物流品質を向上させたが、樹脂パレットの紛失に伴う弁済金が課題であった。社内外のパレット管理問題を把握し、0.2%以下の紛失率を目標に、エリア毎の管理やクラウド版システム導入を実施し、RFIDタグとGPS等のDX技術を活用することで紛失率を低減させ、目標を達成することができた。

実行委員特別賞(1件)

【物流業務部門】
  • 受賞企業:MELCO LOGISTICS (THAILAND) CO., LTD.
  • 受賞事例:タイ国・電子部品物流センターでのHHT(OCR)導入によるオペレーション改善
  • 事例概要:入庫検品の目視チェック業務の負荷が高いため、荷主と協力してシステム改修を行い、ハンディーターミナル(OCR機能)による機械検品を導入した。また、フリーロケーション化による保管効率と作業効率の向上をはかるため、システム改修(機能追加)を実施。これらの改善により、生産性向上、品質向上、返送コストの削減を実現した。

表彰式の実施

物流改善賞の表彰式は、6月26日に東京プリンスホテルで開催された日本ロジスティクスシステム協会の総会に併せて行われました。協会会長の大橋徹二(コマツ 取締役会長)より、受賞企業の代表者に表彰状と賞金が授与されました。

物流改善賞 表彰式集合写真
表彰式での受賞企業の集合写真、中央:協会会長 大橋徹二

受賞事例の詳細

2024年度物流改善賞の受賞事例の詳細は、機関誌「ロジスティクスシステム」夏号(7/25発行)に掲載予定です。機関誌での掲載後、JILS会員の方は会員ライブラリよりオンラインでも閲覧いただけます。(会員ライブラリには7月末掲載予定)

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