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2024年問題に対する国の動向「物流革新に向けた政策パッケージ」-我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議/内閣官房
お知らせ詳細
2024年問題に対する国の動向「物流革新に向けた政策パッケージ」-我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議/内閣官房
2023年06月07日
行政・他団体
3月29日付のJILS最新ニュース
でもお知らせしていましたが、岸田総理は3月27日の参院予算委員会で、トラックドライバーの時間外労働規制、所謂「2024年問題」に対して、輸送・物流関連の関係閣僚会議を近く開催し、緊急対策を取りまとめると述べました。
これに応じて、我が国の社会経済の変化に迅速に対応し、荷主、事業者、一般消費者が一体となって我が国の物流を支える環境整備について、関係行政機関の緊密な連携の下、政府一体となって総合的な検討を行うため、
我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議
を2回開催(3/31、6/2)しています。
その第2回会議(6/2)にて、物流革新に向けた政策パッケージ(案)が提示され、推進することが決定しました。
※会議の様子は
「総理の一日(6/2)」
でも掲載されています。
《
物流革新に向けた政策パッケージ
のポイント概要》
●物流は国民生活や経済を支える社会インフラであるが、担い手不足、カーボンニュートラルへの対応など様々な課題。さらに、物流産業を魅力ある職場とするため、トラックドライバーの働き方改革に関する法律が2024年4月から適用される一方、物流の停滞が懸念される「2024年問題」に直面。
●何も対策を講じなければ、2024年度には14%、2030年度には34%の輸送力不足の可能性。
●荷主企業、物流事業者(運送・倉庫等)、一般消費者が協力して我が国の物流を支えるための環境整備に向けて、
(1)商慣行の見直し、(2)物流の効率化、(3)荷主・消費者の行動変容について、抜本的・総合的な対策を「政策パッケージ」として策定。
中長期的に継続して取り組むための枠組みを、次期通常国会での法制化(※)も含め確実に整備
※荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減(荷待ち、荷役時間の削減等)に向けた規制的措置等の導入
今後の進め方として、時系列も含めて3段階で示されました。
◆第1段階:速やかに実施-規制的措置の導入を前提としたガイドラインの作成・公表等
◆第2段階:2023年末-トラック輸送に係る契約内容の見直しに向けた「標準運送約款」「標準的な運賃」の改正等
◆第3段階:2024年初:通常国会での法制化も含めた規制的措置の具体化
1.具体的な施策
(1)商慣行の見直し
① 荷主・物流事業者間における物流負荷の軽減
② 納品期限、物流コスト込み取引価格等の見直し
③ 物流産業における多重下請構造の是正
④ トラックGメン(仮称)の設置等
⑤ 担い手の賃金水準向上等に向けた適正運賃収受・価格転嫁円滑化等
⑥ トラックの「標準的な運賃」制度の拡充・徹底
(2)物流の効率化
① 即効性のある設備投資の促進
② 物流GXの推進
③ 物流DXの推進
④ 物流標準化の推進
⑤ 物流拠点の機能強化や物流ネットワークの形成支援
⑥ 高速道路のトラック速度規制の引上げ
⑦ 労働生産性向上に向けた利用しやすい高速道路料金の実現
⑧ 特殊車両通行制度に関する見直し・利便性向上
⑨ ダブル連結トラックの導入促進
⑩ 貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し
⑪ 地域物流等における共同輸配送の促進
⑫ 軽トラック事業の適正運営や安全確保
⑬ 女性や若者等の多様な人材の活用・育成
(3)荷主・消費者の行動変容
① 荷主の経営者層の意識改革・行動変容
② 荷主・物流事業者の物流改善の評価・公表
③ 消費者の意識改革・行動変容を促す取組み
④ 再配達率「半減」を含む再配達削減
⑤ 物流に係る広報の推進
2.施策の効果(2024 年度分)
3.今後の進め方
1 年以内に具体的な成果が得られるよう、上記 1.で今年中に講ずる施策として下線を付した内容を含め、以下のとおり、年明けに目指す措置から逆算して時系列で整理し、3 段階で推進する。
(2024 年初)
○ 通常国会での法制化も含めた規制的措置の具体化
荷主企業・物流事業者間における物流負荷の軽減、物流産業における多重下請構造の是正、荷主企業の経営者層の意識改革・行動変容等に向けた規制的措置について、2024 年通常国会への法案提出を視野に具体化する。
(2023 年末まで)
○ トラック輸送に係る契約内容の見直しに向けた「標準運送約款」「標準的な運賃」の改正等
実運送事業者に正当な対価が支払われるよう、トラック法に基づく「標準的な運賃」の運賃水準を見直すとともに、運送契約に含まれる荷待ち・荷役、附帯業務等の輸送以外のサービスについて、範囲を明確化やそれらの標準的な水準等を示す。併せて、荷待ち・荷役に係る費用、燃料高騰分、下請けに発注する際の手数料等の明確化・有料化を促し、荷主企業や元請事業者に適正に転嫁できるよう、2023 年中に、「標準運送約款」の見直しを図る。
さらに、トラック法に基づく荷主企業等への要請の強化や適正な取引を促進するための情報公開等の措置の具体的内容について成案を得る。
○ 再配達「半減」に向けた対策
上記 2.のとおり荷待ち・荷役の削減、積載率向上、モーダルシフトを図ってもなお 2024 年度に不足する可能性のある輸送力を補うため、再配達率が現在の12%から 6%へと半減するように緊急的な施策を具体化する。
○ 2024 年度に向けた業界・分野別の自主行動計画の作成・公表
2024 年度には輸送力が 14%(トラックドライバー14 万人相当)不足する可能性があることを踏まえ、上述の規制的措置の導入を前提として、業種・分野別に、物流の適正化・生産性向上に関する「自主行動計画」を作成し、政府においても年内目途にそれらを公表する。ガイドラインの遵守状況について、2023 年度末にフォローアップ調査を行い、速やかに結果を公表する。
○ 2030 年度に向けた政府の中長期計画の策定・公表
2030 年度には輸送力が 34%(トラックドライバー34 万人相当)不足する可能性があることを踏まえると、規制的措置の導入・適用により物流の適正化の効果を上げつつ、物流の生産性向上をさらに進める必要がある。このため、モーダルシフトに必要となるハード整備をはじめとする上記 1.の各種施策について、2024年度予算案の編成過程において、輸送力逼迫の見通しを踏まえつつ、政府としての中長期計画を策定・公表することで、民間企業による計画的な投資を可能とする。
(速やかに実施)
○ 規制的措置の導入を前提としたガイドラインの作成・公表等
上述の規制的措置の導入、自主行動計画の作成を前提として、早急に、物流の適正化・生産性向上に向けて荷主企業・物流事業者が取り組むべき事項をガイドラインとして策定する。その上で、荷主企業や物流事業者等に対し、これを広く周知するとともに、業種・分野別の「自主行動計画」を年内目途に作成・公表することを要請する。
この政策パッケージの各施策の取組状況について、2024 年度における輸送力不足の解消に目処をつけることを念頭に、2024 年初にフォローアップを行う。
なお、JILSでは、同政策パッケージの解説等を含め無料講演会を企画、準備中です(6月中に開催予定)。
決まり次第、当会ホームページでご案内いたします。
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文責:JILS総合研究所 遠藤直也
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