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国際海上輸送におけるコンテナ不足等の問題・課題と取組み(更新版)~JILSの研究会活動とアンケート結果、行政・他団体の動向など~

お知らせ詳細

国際海上輸送におけるコンテナ不足等の問題・課題と取組み(更新版)~JILSの研究会活動とアンケート結果、行政・他団体の動向など~

行政・他団体

1.コンテナ不足問題等の概観

 • 米国向けコンテナ荷動き量は、2020年前半はコロナ等の影響により低迷。
  同年後半は北米の巣ごもり需要等の影響により、急速に回復。
 • 北米向けコンテナ運賃も、荷動き量の増加に併せて、同様に上昇。
 • 2019年~2020年前半にかけて、米中貿易摩擦やコロナによる先行き懸念の影響により、
  中国におけるコンテナ製造量が低下(ただし、コンテナ製造量は回復見込み)。
 • 北米航路、特に北米西海岸の港湾混雑等がひどい状況であり、
  コンテナ船の運航遅延等により、コンテナ回転率が低下。
 
2.行政等における取組み
 行政対応として、世界的な国際海上コンテナ輸送力及び空コンテナの不足を受け、
 国土交通省を中心に以下の取組みが行われている。

1)「コンテナの効率的な利用や輸送スペースの確保等に係る協力要請文書」を発出(2021年2月5日)
 
日本発着の国際海上コンテナ輸送の需給の逼迫状況の改善に向け、2021年2月5日付で、
 荷主、船社及び物流事業者等の関係団体に対し、上記の要請文書を発出。


2)「 コンテナ不足問題に関する情報共有会合」を開催(2021年4月23日) 
  
国土交通省は、農林水産省及び経済産業省と共同で、コンテナ不足問題の関係者による情報共有のための
 会合をWEB会議形式で開催。本会合では、関係者間で現在の状況・取組内容等の情報共有を行うとともに、
 関係者がそれぞれの取組を連携して実施していくことの重要性を確認。

  Los Angeles/Long Beach 港沖合で待機中のコンテナ船の状況や(野村総合研究所による調査結果)、
 船社やフォワーダー、荷主の状況を共有する場を設け、各団体等を通じて情報提供。
 【主な資料】
  ◆新型コロナが国際物流に与えた影響(野村総合研究所)
   https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001403344.pdf
  ◆JAグル-プサプライチェ-ン(JA全農インターナショナル)
   https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001403346.pdf
  ◆コンテナ貨物市況と課題、ONEの対応について(Ocean Network Express)
   https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001403347.pdf

 【会合全般、その他の資料など】
 https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000553.html

3)「海外港湾の状況について」を報告(2021年7月26日
 直近では、追加調査として以下の報告がなされている。
 個人的には、最後にある「その他」の内陸に向けた鉄道等の記載が気になるところである。
 ・内陸輸送については、中古トラックが市場で高騰。
 ・トラックドライバーの人手不足と相まって逼迫が今年中続くと予想する声も(港湾関係者)
 ・米国鉄道(UNION PACIFIC RAIL)は、急激なコンテナの増加で機能不全に陷っているシカゴの
  主要鉄道ターミナルの滞留コンテナの排出処理を優先するため、西海岸4港(ロサンゼルス、ロングビーチ、
  オークランド、タコマ)からのコンテナ列車輸送を 7月15日から7日程度止めていたが、
  7月22日に西海岸4港からの受入を再開した。(報道情報)
  https://www1.logistics.or.jp/news/detail.html?itemid=518&dispmid=703

4)JETROによる情報提供(2021年6月24日)
 JETROが第1回米国の最新物流事情セミナーの内容をオンデマンド(無料)で公開している。
  ◆ロサンゼルス港アップデート(2021年6月24日開催、7月4日より公開)
   https://www.jetro.go.jp/biz/seminar/2021/f8d89d23a01fa2dc.html
   ※QAの中で、ロスからシカゴ等の内陸向けの鉄道輸送に関わる内容も触れられている。

2.JILSにおける取組み


 JILSにおける「グローバルロジスティクス研究会(以下、GL研)」の会合や意見交換の中では、
 2020年秋頃から
コロナ禍における国際物流の混乱が重要課題の一つとして浮き彫りとなり、
 継続的に各社の状況や取組み等について継続的に情報交換を行っている。

 2021年4月には、GL研メンバーとJILS会員(加工組立系製造業)へアンケート調査を行っている。
 一部の回答企業からは「コロナ禍を発端とした、船便減少や港湾労働力の減少が運賃上昇や取引先への
 延納等々も要因となり、企業の競争力そのものが低下するリスクが内在しており、
 それがより高まっている」という回答も複数あった。

 さらに、最近のヒアリング結果でも、スエズ運河の座礁の問題が更に事態を悪化させており、
 8月下旬から北米のクリスマス商戦に向けた製品の積出しが始まるが、
 コンテナのスペース確保、運賃上昇は収まるどころか悪化している、との声も複数社から挙がっている。

 ◆グローバルロジスティクス研究会(2021年6月~2022年3月、全10会合/Teamsによる運営)
  https://www1.logistics.or.jp/newest/glogiken/
 ◆【公開版】国際海上輸送におけるコンテナ不足等の問題・課題と取組み(2021年4月)
  /Portals/0/pdf/【公開版】国際海上輸送におけるコンテナ不足等の問題・課題と取組み.pdf


 中国での新造の船やコンテナがフル操業で生産されているとのことだが、
 GL研の2021年6月会合では「第3Qからだ4Qまで影響が続くだろう」という意見が大半を占めていた。

 国内外におけるサプライチェーン、SCM、物流に関わる方々にとって、コロナ禍の中では先ずは
 安心・安全を最優先として、社会インフラである「物流を止めない」ための日々の取組みや活動は
 マネジメント、現場のそれぞれ異なる立場、立ち位置ではあるが、
 この真夏炎天下の中でも、様々な試行錯誤が続いている。

文責:JILS総合研究所 遠藤直也 
   customer@logistics.or.jp

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