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2018年度ロジスティクス大賞 受賞4事例決定!

お知らせ詳細

普及活動

公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会は、ロジスティクス推進に向けて優れた実績をあげた企業を表彰する「ロジスティクス大賞」を設けており、第35回目の開催を迎えます。
ロジスティクス大賞ノミネート委員会およびロジスティクス大賞選考委員会による厳正な審査の結果、本年度は下記の通り、ロジスティクス大賞および特別賞が決定いたしました。
 

【ロジスティクス大賞】

会社名:アステラス製薬株式会社/武田薬品工業株式会社/武田テバファーマ株式会社/武田テバ薬品株式会社

テーマ:北海道共同物流センター開設による医療用医薬品安定供給体制の拡充
<GDP基準統一による手順・管理の標準化、及び共同化に伴う物流効率化の推進>

受賞事由:東日本大震災等の大規模災害時において、物流機能の麻痺・混乱による医薬品の供給不足は人命に関わる大きな問題となる。そこで、業界を代表する企業が連携して、医薬品業界としての事業継続の観点から物流拠点の分散化を図るために、共同物流センターの開設を行ったのが本取り組みである。従来のコスト削減の観点から物流拠点を集約していた流れと逆行する取り組みで、これを成功させるためにはコスト上昇を押さえるための標準化が必要不可欠となっていた。そのため、医薬品の適正流通基準(GDP:Good Distribution Practices)の発出を踏まえて、保管、荷役、輸送といった物流機能の標準化を図り、さらには温度管理等の品質管理基準についても統一を図っている。これにより、労働力不足の解消やCO2排出量の削減、さらには生産性の向上にも寄与する取り組みとなっており、「医薬品の安定供給」という社会的責任を果たすためにも今後の普及が期待される優れた取り組みとして高く評価された。

【ロジスティクス大賞 経営革新賞】

会社名:乾汽船株式会社

テーマ:サプライチェーンで取り組む配送効率化「バラちらし」

受賞事由:電子化に伴って領収書や納品書などに使用される情報用紙の需要が減少する中、物流現場の改善によるコスト削減は限界に来ていた。そこで、商流におけるムラを無くし、配送の効率化を図るべく、午前中に集中していた納品をバラしたのが本取り組み「バラちらし」である。特筆すべきは、荷主(荷送人)の了解のもとに、納品先(荷受人)一軒一軒を訪問し、「バラちらし」取り組みの承諾を全ての納品先から得た点である。これはドライバー一人一人が納品先における時間的、空間的な余裕の有無を丁寧に観察し、納品先の現場にとって「小さな影響」であることを示した結果の賜といえる。この取り組みにより、導入前後において、22.2%のトラック台数の削減、1.84回転から2.02回転へと、9.8%の回転率の向上を達成している。また、この取り組みを荷主企業が全国展開するほか、納品先企業からも水平展開したいという要望が届くなど、今後の広がりに期待できる取り組みとして評価された。
 

【ロジスティクス大賞 環境貢献賞】

会社名:ケービーエスクボタ株式会社

テーマ:内陸コンテナデポ(ICD)を利用したコンテナラウンドユースとシャトル輸送をあわせた安定的なCO2削減と、輸送環境負荷軽減への挑戦

受賞事由:空コンテナ輸送を減らすコンテナラウンドユースは、トラックの総走行距離を低減し、輸送コストを削減できるほか、CO2排出量の削減、さらには慢性的な港湾エリアにおける渋滞緩和の方策にもなる取り組みである。しかし、輸出入で利用するコンテナのマッチングが大きな課題となっていた。この課題に対して、内陸コンテナデポを設置し、輸出入で使用するコンテナのサイズ及び使用船会社を同一として、ほぼ全ての輸入コンテナを輸出で再利用している。そして、輸送の効率化及び労働環境の改善を図るために、輸送の定時制を向上する工夫を行っている。日中の渋滞が激しい港湾エリアは、夜間に港と内陸コンテナデポ間を往復するシャトル輸送、そして内陸コンテナデポと荷主間は、長時間拘束を解消するために日中にピストン輸送を行うオペレーションを確立している。これにより、2017年には約1500トンものCO2排出量の削減を実現しており、このような環境負荷低減に貢献する取り組みが評価された。

【ロジスティクス大賞 選考委員会特別賞】

会社名:株式会社MUJIN

テーマ:知能ロボットコントローラによる物流現場でのピースピッキング自動化

受賞事由:市場規模が拡大を続けるeコマースでは、注文がピークとなる夜間以降の深夜から早朝にかけての出荷作業を担う労働力の確保が重要となっている。その一方で、人口減少社会に突入した我が国においては生産年齢人口が、2015年の7,592万人から2050年には5,001万人まで減少すると予測されており、労働集約型産業である物流業にとって死活問題となっている。既存の物流現場における業務改善ではなく、抜本的な変革が求められている。省人化及び無人化の有効な取り組みとして、ロボットの活用があるが取り扱い品目が日ごとに変わり、多品種かつ荷姿も千差万別であったために、ロボットによる自動化が不可能とされてきた。これを、独自のモーションプランニングAI技術や三次元認識技術等を活用した知能ロボットコントローラによって、物流現場でのピースピッキングの自動化を実現したのが本取り組みである。物流倉庫の完全自動化を可能とするこの技術は物流現場の変革をもたらす革新的な技術として高く評価された。

なお表彰式および各賞受賞記念講演は、10月19日(金)に開催されるロジスティクス全国大会2018にて行われます。

ロジスティクス大賞についての詳細はこちら:http://www1.logistics.or.jp/propulsion/prize.html

【お問い合わせ先】JILS総合研究所 大塚 TEL:03-3436-3191 Email:otsuka@logistics.or.jp

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