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持続可能な物流の実現に向けた検討会/持続可能な物流構築に向けて
お知らせ詳細
持続可能な物流の実現に向けた検討会/持続可能な物流構築に向けて
2022年10月07日
調査・研究
経済産業省は、物流が直面している諸課題を解決し、更なる物流効率化を進めていく必要性が一層高まっているが、物流事業者や一部の荷主のみでの取組には限界があり、物流の大きな変革を迫られている今こそ、着荷主を含む荷主や一般消費者も一緒になって、それぞれの立場で担うべき役割を再考し、物流が直面している諸課題の解決に向けた取組を進め、持続可能な物流の実現につなげることが必要不可欠であるとの考え方に立ち、物流を持続可能なものとしていくための方策を検討するため、2022年9月より、
「持続可能な物流の実現に向けた検討会」
を立ちあげ、現在までに計2回の会合を実施しています。
今回は、第2回会合(10/6)、その中でも個人的に重要だと思わるポイントを中心にご紹介します。
厚生労働省:改善基準告示の見直しについて(参考資料)
◆トラック運転者の全産業平均との対比傾向(自動車運転者の基礎統計)
・年齢が高い
・実労働時間数が長い
・所定内給与額が低い傾
◆「道路貨物運送業」は、過労死等の労災請求件数、支給決定件数ともに、最も多い
・支給決定件数は56件で、労災請求が認められる割合も高い
◆諸外国の自動車運転者の労働時間の規制状況(トラック)
・ILO条約の規定
「休息期間は連続10時間(平均でも可)であり、週2回以上8時間に短縮不可」
・ILO勧告の規定
「休息期間は連続11時間(平均でも可)であり、8時間を下回ることは不可」
・EU規則の規定
「休息期間は11時間(週3日まで9時間に短縮可)」
◆ILO条約第153号、ILO勧告第161号
・ILO条約153号第9条、ILO勧告161号項目26
「事故、故障、予見されない遅延」、「不可抗力の場合」等、例外的な取扱いが定められている。
◆諸外国のILO条約例外規定の運用状況
・イギリスの規定
悪天候、交通事故、故障、フェリーの中断、生命や健康に危険を及ぼす可能性のある事象については、運転時間、連続運転時間、休息期間の定めを逸脱することができる
▸ スイスの規定
故障、暴風雨、雪崩による道路の封鎖等の予見できない緊急的な事象について、適切な駐車スペースに停車する時間は、運転時間、休息期間等から逸脱することができる
全日本トラック協会:トラック運送業界の2024年問題
◆2021年度の時間外労働、年次有給休暇の取得状況等のアンケート調査結果(n=727)
・時間外労働年960時間超となるドライバーの有無
全 体 いる28%、いない70%、など
長距離 いる48%、いない, 50% など
◆月60時間超の時間外労働に対する時間外割増賃金率引上げに係る準備
回答の7割超が検討中、準備を行っていない結果に
「大企業で既に適用」4.1%
「中小企業で既に適用」3.9%
「2023年4月までに対応できるよう対策を検討」53.4%
「まだ対策等の準備は行っていない」18.8%
◆荷主企業における「改善基準告示」の認知度
回答の8割が知らない、内容を理解していない結果に
「存在も内容も知らない」50.5%
「存在は知っているが、内容まで知らない」33.0%
◆荷主と物流事業者との取引に関する調査結果
公正取引委員会は、荷主企業、物流事業者への書面調査結果を踏まえ、労務費、原材料費、エネルギーコストの上昇分の転嫁拒否が疑われる事
案について、荷主19名対する立入調査を実施。これらの結果を踏まえ、荷主641名に対し、具体的な懸案事項を明示した文書を送付し、注意喚起を行った。
◆注意喚起文書を送付した荷主の行為類型別内訳
1位:不当な給付内容の変更及びやり直し 351件(47.6%)
2位:代金の支払遅延 161件(21.8%)
3位:代金の減額 92件(12.5%)
・不当な給付内容の変更及びやり直しの例(
物流特殊指定/公正取引委員会
)
当初契約に定めていなかった商品の運送が追加されたのに,追加分に係る運賃は一切払ってもらえない。 など
JILSにおける対応:2024年問題に向けた対応状況や課題の収集と公表、普及へ
JILSでは、各種講演会を中心に情報提供を行っているところですが、JILS主要事業のPDCA推進のための常設委員会の一つ、会員・広報委員会のもと、荷主企業における「2024年問題」に関わる事業への影響と実態調査の準備を行っており、10月中にJILS会員の荷主企業を対象にアンケート調査を行い、その結果を広く公表(当会ホームページ等)すると共に、各種事業を通じて普及していく予定です。
文責/担当:JILS総合研究所 遠藤直也
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